エストニアの通信企業『Velmenni』が世界中に存在するありとあらゆるLED照明の電球によって超高速通信を可能とする新技術『Li-Fi』を開発した。

Expect to hear a whole lot more about Li-Fi – a wireless technology that transmits high-speed data using visible light communication (VLC) – in the coming months.

『Li-Fi』とはなにか

LiFi: What is it?

まずは映像でイメージをざっとつかむもよし。

速度としくみ

『Li-Fi』の最大の特徴は現行のWi-Fi技術のおよそ100倍もの通信速度を実現できることにある。エストニアの首都タリンで行われている実験では、毎秒224ギガビットもの情報を送信することに成功している(研究室内での数値)。これは2時間の映画(1.5GB)18本をわずか1秒で送れるスピードだ。

超高速通信を実現できたのは、従来の電波ではなく可視光通信(VLC)を採用したことにある。2011年に『Li-Fi』を発明したハラルド・ハース氏は、ひとつのLED照明を超高速で点滅させることで、電波よりも多くのデータを送信できることを実証していた。

モールス信号と同じ要領

ただし肉眼では点滅していることがわからない。

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『可視光通信』が優れているのは、その圧倒的な速度にとどまらない。光は壁を通さないため、より高いセキュリティを保証するほか、通信の安定性も高く電波の干渉も受けることもない

かつてハラルド・ハース氏は、TEDに出演した際に「すべての照明にマイクロチップを付けることで、照明の基本的な機能は『照明』と『無線通信機器』のふたつになる」といったことを述べていた。あらゆる照明を通じてデータを送受信し、ネットワークに接続できる未来は、本当に到来するのだろうか……。

まさにデータを『浴びる』ようにネットに接続できる技術。

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pureLiFi

現状と今後の展望

VelmenniのCEOディパ・ソランキ氏いわく、可視光通信を利用したプロジェクトはすでに動き出しており、照明によるデータ通信環境のデザインやオフィスへの導入計画も進んでいるという。また、ハラルド氏らのチームは『Li-Fi』のアプリケーションを開発する企業“PureLiFi”を設立した。この超高速通信技術に手が届くようになるのも、そう遠くはないかもしれない。

しかし、実用化にはいくつかの課題が残されている。ひとつは、照明を通信に用いるという特性上、現状では屋外での利用が難しいことだ。また、家庭やオフィスにはすでにWi-Fi機器が十分に普及しており、これに『Li-Fi』がすぐ取って代わることも考えづらい。そこで『Li-Fi』の開発者たちは、ゆるやかな普及を目指して、現在のWi-Fi機器を『Li-Fi』に対応させようと動き出しているのである。

あれもこれも照明で通信できるようになる?

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Science alert

先日、日本政府は2020年度をめどに、白熱灯と蛍光灯の製造・輸入を実質的に禁止する方針を固めた。LED電球への移行が着実に進められるなかで、『Li-Fi』の普及する未来は想像しがたいものではないだろう。しかし「LED電球の点滅は目に悪い」という説もいまだ根強く、人間に感知できない速度で点滅させる『Li-Fi』が反対層にスムーズに受け入れられるとは思えない。

Wi-Fiよりも圧倒的に速く、安定しており、またセキュリティも高い……。通信技術としては明らかな革命児である『Li-Fi』が、どのように私たちの生活に近づいてくるのか、しばらく要注目といえそうだ。

REFERENCE:

Li-Fi has just been tested in the real world, and it’s 100 times faster than Wi-Fi

Li-Fi has just been tested in the real world, and it’s 100 times faster than Wi-Fi

http://www.sciencealert.com/li-fi-tested-in-the-real-world-for-the-first-time-is-100-times-faster-than-wi-fi

Li-Fiとは?――Wi-Fiの100倍の速さの超高速通信の世界へようこそ

http://jp.ibtimes.com/articles/1614694

可視光通信 – Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/可視光通信

蛍光灯、実質製造禁止へ 20年度めど、LEDに置換

http://www.asahi.com/articles/ASHCT5JHKHCTULFA021.html