中国のある交差点で走行中の車が突然後輪から浮き上がり転倒する奇妙な事件とその一部始終を映した監視カメラの映像がインターネット上にアップロードされて話題を呼んでいる。

Bizarre accident with vehicle tail left in air by unknown force

何の変哲もない交差点を映したところから映像は始まる。向かって左側からワゴン車が隣の車線の車を追い抜いて交差点を横切る瞬間、突然ワゴン車の後輪が浮く。それとほぼ同時に隣の車線で停止していた車もこちらは前輪から浮き上がる。二台は数秒間、踊りを踊るようにゆらゆらと横に揺れた後に転倒。

超能力か?

地震でないことは二台の車と少し離れた右側の車以外に何の異常も見られないことから明らかだ。だとしたら超能力だろうか。動画のような不自然な動きはいかにも超自然的な力を思わせる。だが、もちろんそんなわけはない。

不思議な力を起こしていたのは地面にまで垂れ下がっていた電線だった。

動画の画質が粗いせいでわからないが、ちょうど横断歩道の横に伸びている白線の上あたりに電線の一部が垂れ下がっていたのだ。それに最初のワゴン車の後輪がひっかかり前に進むとたわんでいた電線が引き伸ばされ、元に戻ろうと上方後ろに力がかかる(この際電線の一部がタイヤに巻き込まれていたかもしれない)。それによってそれまで地面に落ちていた電線が一斉に宙に浮く。電線に後輪がひっかかった最初のワゴン車はもちろんのことすぐ隣の車も浮き上がったのはそういうためだ。恐らく前輪あたりの真下に電線が落ちていたのだろう。

それから前に進もうとしていた車とゴムひものように引っ張り上げる電線と重力とがせめぎあい、超能力によって動かされたかのような動きが起きる。最後に電線が引っかかっていた部分、最初のワゴン車の右後輪、が外れてワゴン車は重力のままに落下し引っ張られなくなった電線も再び地面に落ちて、他の二台も電線から解放される、というわけだ。

電線が車を持ち上げることは可能なのか

しかしそんなことか可能なのだろうか。あまりあの細い電線に自動車を持ち上げるほどの強度があるとは思えない。

小難しい強度の計算はできないが、ここにもう一つ似たような事件が起きた動画がある。

Rare crash video: Car flips over catching loose wires

動画が見れない場合はこちらから

こちらは幸いにも画質が良いので地面に落ちていた電線の一部に車が引っかかり釣り上げられ逆さに倒されているところをはっきりと見ることができる。

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はっきりとは見えないが電線に車が釣り上げられているのがわかる。

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Rare crash video: Car flips over catching loose wires

強度の計算はできないが、動画を観れば電線が一台の車を持ち上げることは不可能でないことがわかる。

電線よりも人の方が怖い

というわけで超能力ではなく電線が三台もの車を持ち上げたことがわかったが、それはそれとして通行人の一連の行動が気になる。横断歩道の左側にいた人々の半数近くが車が宙を舞って暴れまわるのをただ眺め、車が横転した後は普通に横断歩道を渡っているように見える。彼らには最初から電線が見えていただろうということは予想がつくが、それにしても何か危険はないか普通は様子を見るような気がするし、横転した車の運転手の安否くらい気にかけてもおかしくないような気がする。その場に居合わせたらワゴン車の手前にいた男性のように後ずさり走って逃げるのが正常な判断のような気がする。

奇妙な事件である。