ペットを飼っていると、飼い主は命令をしたり叱ったり、時には人間相手のように話しかけることを行います。それを受けてペットも命令に従ったり怒られているのがわかるのか反省したり逃げ出したりと様々な反応を返してくるので、自分たちの言葉をきちんと理解しているように思えてきます。けれど、彼らは本当に人間の言葉を理解しているのか、犬を対象に行われた実験で新たな発見があったことをジョー・ハンソン博士が司会の『It’s Okay To Be Smart』で紹介しました。

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意味わかってる?

なんの?

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It’s Okay To Be Smart

言葉は覚えるけど……

1000個の言葉を知っている犬

ボーダーコリーのチェイサーちゃんは、1000個の言葉を知っているそうです。これは、人間の4歳児が覚える量とほぼ同じですが、彼女は名詞と動詞の区別もできるため、『何』を『どうするか』の命令をこなすことができると紹介されています。

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飼い主の顔や動きが見えない状態にしておき、声のみで命令通りの行動ができるかを実験。チェイサーちゃんはそれぞれのものを『lips』『ABC』『lamb』と覚えさせられている。

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『nose』と『ABC』を組み合わされると指令されたものを鼻で動かす仕草を見せた。

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名詞でもある『nose』と言われて指定されたものを鼻で突く動きをしてみせたことによって、チェイサーちゃんがこの言葉を飼い主が言った内容の流れから動詞として区別していることがわかりますが、単語自体の意味を理解してはいないそうです。おそらく『動詞』+『名詞』の順番で命令される学習を繰り返した結果、『一つ目の単語は動詞である』という区別をしているのではないかと思われます。

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ハリソンさんも愛犬オリバーくんとやってみる。

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『ball』はちゃんと拾ってくれた。

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しかし『bone』は何度言ってもボールに行ってしまう。

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そして飽きた。

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ハリソンさんも挑戦してみましたが『ball』と『bone』の響きが似ているからか、オリバーくんはどちらもボールを取れという命令と受け取ってしまいました。チェイサーちゃんと違って語彙量が違うということも原因のひとつではありそうですが、彼女の実験では対象の名前が明確に違っていたのでこのような結果になったかもしれません。

でもコミュニケーションはとれている気がする

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bone……?

ボール。

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『言葉』と『感情』に分けて処理

単語の意味を理解していないと知っても、実際に犬を飼っていると彼らとコミュニケーションがとれているような気分になったことがある人がほとんどです。怒ってみせれば反省する素振りを見せるし、話しかけると応えてくれる。散歩に行くといえば喜んで見せるなど、言葉が通じているとしか思えない仕草を見せてくれます。しかし、飼い主の言葉から読み取っているのは『言葉』そのものか、『感情』のいずれか片方だけなのだそうです。

実験として、犬の両サイドにスピーカーを設置し、無機質な言葉と感情的な言葉をそれぞれ犬に聞かせてみました。すると、感情のこもっていない声に対しては犬の大脳の左半球で届いた言葉を処理して『言葉の意味』を判別しますが、感情的な声の場合は右半球で処理して『声に含まれている感情』を判断するそうです。

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無感情の声の場合

大脳の左半球が処理し、『言語』として処理。

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感情的な声の場合

右半球で処理し、言っていることそのものではなく含まれている『感情』を判断する。

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飼い主が話す音量やスピードをもとに、いまどのような感情が向けられているのかを判断しているようです。言っている内容は理解できないけれども空気は読んでいるということなのでしょう。

感情は声だけじゃない

しかし、言葉に出さなくても理解してくれる場合もあるのでは? と思う場面も度々あります。叱る前から逃げようとする場合など、言葉で注意する前にその人の表情は怒りが表されたものに変化しています。犬は、その顔を見ているのです。

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これでも十分

怒っているのは伝わる。

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私たち人間も、人の表情を見る場合に顔の半分を重点的に捉える習慣があります。犬の場合は更にそれが顕著なのです。

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つまりこう見えてる。

即謝る。

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声に含まれている感情、目に映っている表情。そのふたつの要素を組み合わせて、犬は人々が伝えたいことを把握しているようです。長々と話しかけていても犬にとっては「機嫌がいいらしい」「怒っているらしい」くらいのものなのだと考えると少々寂しいものですが、全部理解されてしまったら面倒なことにもなりそうなのでこれで良しとしましょう。

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ちょっと待ちニャ!

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猫はどうなの

今回の実験で、犬が人々の言葉を彼らなりに理解している仕組みがある程度わかりました。こうなると、気になるのは猫派の人たちでしょう。はるか昔から人とともにいる存在であり、歳を経ると人語を解するようになるという言い伝えもあるような動物です。

今回の動画では触れていませんが、猫もヒトと近い脳の構造をしており、論理的思考や判断も行うことが僅かにできるそうです。感情については危険な状況や不安を覚えることへの警戒心が強いため、怒りや恐怖が主となっているようですが。状況を部分的に判断することができて嫌な記憶は長い間忘れないほどの記憶力だって持っているといわれています。犬とはまた違う仕組みであったとしても、きっとなにかあるはずです……。

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犬にできるのなら猫にできないはずがない!

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ペットが言葉を正しく理解してくれているのではないとしても、大切にされているということは彼らにも理解できるので、注ぎ続けてきた愛情は間違いなく伝わっているのでしょう。

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きっと伝わってる。

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REFERENCE:

It’s Okay To Be Smart - Youtube

It’s Okay To Be Smart - Youtube

https://www.youtube.com/watch?v=UnMULQDHIjk