Facebookといえば全世界でのユーザ数10億人を超える最も巨大なSNSです。卒業して離れ離れになった旧友ともFacebookを通じて密な連絡を取ることができますし、仕事の同僚や先輩が旅行に行った時の写真なんかは見ている方まで楽しくなってきます。

しかしそんな便利なFacebookですが、利用することでうつ病に繋がる危険性があるという論文が提出されています。

According to University of Houston (UH) researcher Mai-Ly Steers, this kind of social comparison paired with the amount of time spent on Facebook may be linked to depressive symptoms.

たしかにFacebookは楽しいばかりではありません。気分が沈みがちになっている時などは、充実していて楽しそうな友人の投稿を見ていると自分の人生が退屈に思えて焦燥感を覚えることもあります。

自分も負けじと楽しそうな行動を起こしますが、焦燥感から出る行動というのは得てして良い結果をもたらしません。たとえ実際その時には楽しかったとしてもいいね!がたくさん付いたとしても元が焦燥感から来た行動なのでなんとなく薄っぺらく思えてしまいます。それに比べて友人たちの投稿はいつも通り楽しそうで、さらに焦燥感が増していき悪循環へとハマっていきます。論文の内容とは少々変わりますが、そのような悪循環の末路にうつ病があると考えれば非常に納得がいく話です。

しかしこのような傾向はSNSに限った話でもないでしょう。周りに自分より優秀で充実した日々を送る人たちしかいなかったら、ついつい自分の生活を振り返り気分が沈んでしまいます。このように自分と他人を比べてしまう心理は社会的比較理論と呼ばれていて、他人と比較するのは誰もが取ってしまう行動なのです。

社会的比較理論とは
社会的比較理論は、自己評価を正確に把握するために、各個人の内部にひとつの衝動があるという人の習慣に焦点をあてている。個々人がどのように彼ら自身の意見や能力を評価し、自己を定義づける方法を学習するのかを説明する理論のひとつである。具体的には、個々人が、自身を他者と比較することによって、これらの諸領域における不確実性を低減させる、という理論である。 – Wikipedia 社会的比較理論

自分のほうが大きい気がする……。

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今回のように自分より優れている人たちばかりで疲れてしまうという時は自分より下の人を探す、自分と他人を比較しすぎないようにする、などが対策として挙げられることが多いです。けれどそういった行動は簡単にできるものではありません。

自分と他人はどうしても比較してしまいますし、比較しないと自分がどういう状況に置かれてるのかがわかりません。それに自分より下の人を見つけて「こいつよりはマシ」と思うのは失礼な行為に思えます。Facebookをさっさと退会してしまうという手もありますが、円滑な友人関係などの問題から実際に行動に移すのは難しいでしょう。焦燥感や劣等感に苛まれさえしなければFacebookはきっと楽しいサービスです。

もう少し実践可能な解答は存在しないのでしょうか。Facebookを続けながら焦燥感と劣等感のループを抜け出す方法はないのでしょうか。少し考えてみたいと思います。

Facebookでうつにならないために

本当に楽しいと思ったことは書かないほうがいい

先ほども述べたようにFacebookが憂鬱な気分を誘引してしまう原因は他人と比較してしまうことです。自分の体験をFacebookに書き込めば、それは他人の投稿と等しくFacebookのタイムラインに流れる投稿の一つになります。自分と他人が同じ場所に並べられたらついつい比較してしまうのが人間というもの。ならば比較をしてしまわないように本当に心の底から楽しかったことはあえて投稿しなければよいのです。

投稿さえしなければ自分の体験はFacebookに投稿するための体験と思うことなく、自分の体験に空虚さを覚える心配もありません。それに自分が楽しかった体験を書かないでおけば自分の中の一種の切り札として残り、タイムラインを少し余裕を持ってFacebookを眺めることができます。もちろん、楽しかったことを一つも書かない、とまでする必要はありませんが、たまにあえて書かないという選択をとってみるのもよいのではないでしょうか。

贅沢をした!

だとしても、Facebookには書かない。

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ミュート機能を積極的に使う

Facebookには友達の関係を取り消すことなく投稿を非表示にすることができます。Facebookの公式の機能ですのでこの行為を誰にも咎められるいわれはないでしょう。どうしても友達の投稿を見るのがつらい時はミュートをしてしまうのも選択の一つです。

ここを押すだけ

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Facebook

Facebookにおけるフォロー
他の人をフォローすると、その人の投稿が自分のニュースフィードに表示されるようになります。友達になっている利用者は自動的にフォローします。興味のある人の投稿をフォローすることもできます。また、友達ではない人のニュースフィードに自分の投稿を表示するよう許可することもできます。

他の人のフォローをやめるにはどうすればよいですか。
他の利用者のフォローをやめるには、その人のプロフィールに移動して、[フォロー中]ボタンのチェックをはずします。フォローをやめても友達に知られることはありません。

フォロー | Facebookヘルプセンター

自動いいねアプリで乱れ打ちする

けれどミュートをしてしまうと友達へいいね!を付けることが難しくなります。みんながいいね!を付けている投稿にいいね!をずっとしていないと友人関係に不和が生じることもあるでしょうし、結婚や出産といった投稿などはやはり祝福しておきたいものです。そのような時は決して推奨はいたしませんが、自動でいいね!を付けてくれるアプリを利用するという手もあります。

自動いいねアプリの使用方法
どうでもいいね! | Chrome ウェブストア
Google Chromeから上記のリンクに飛び、『CHROMEに追加』をクリックし、その後表示される『追加』をクリックするとインストールが完了し、ブラウザ右上にアイコンが追加される。Facebookのページで追加されたアイコンをクリックするとページ内にある記事すべてにいいね!を付けることができる。

(注:このアプリはFacebookのポリシーに反するものですので利用は自己責任でお願い致します)

どうでもいいね!使用画像

本当にどうでもよさそう。

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どうでもいいね! – Chrome ウェブストア

しかしこの自動いいねアプリですが、あまり完成度の高いものとはいえません。いいねを自動で付けてくれるのは今ページに表示されている投稿だけです。つまりミュートした人の投稿はいいねすることが出来ませんし、下手すると本文を読みもせずなんでもかんでもいいね!を押してくる人と思われかねません。

できることなら『いいね!の数が多い投稿だけをいいね!する』『一度にいいね!をしすぎず、仕事中でない時間帯にいいね!する』『特定の単語が含まれていればいいね!する』『自分がタグ付けされている写真が投稿されている記事にはいいね!をする』といった機能などがあるととても嬉しいのですが、果たして、本当にそんなことをしてまでFacebookを利用する意味があるのか少々疑問に思えてきます

極端かもしれないけれど現実世界では既にやっている

上記の行為は一見すると非常に極端なことのように見えるかもしれません。しかし現実の人間関係においても似たようなことをしている時があるのではないでしょうか。友達だけどずっと一緒にいると疲れるからたまに距離を置いてみたり、疲れている時に話しかけられてぼんやり話を聞いてるふりをして相槌を打つといったことを、誰しもしたことがあるはずです。あまり自慢しすぎないというのも、現実世界では当たり前のマナーです。現実世界でやっていることを、SNSでしてはいけないという理由はないでしょう。むしろそれができないことがSNS疲れの原因となっているのではないでしょうか。

いっそ人間関係のリセットを

このように解決方法を一つ一つ書き出してみるとFacebookでみんながいいね!を付けている投稿にいいね!を付けなければいけない、たまにはコメントを書かなければいけない、書かれたコメントは返さなければいけない、といった暗黙のルールのようなものがあることを自覚せざるを得ません。そのように考えるとFacebookは実に窮屈なサービスに思えるわけですが、実は根本的な原因はSNSにあるわけではないのではないでしょうか。

そもそもにして、なぜいいね!を付けたりコメントをしたりしなければいけないのでしょう。しないと場の雰囲気に馴染めないから、友人に村八分にされてしまいそうだからと、さまざまな理由があるかもしれませんが、結局のところ原因はSNSでなく、SNSを通して関わるコミュニティに問題があるのではないでしょうか。

もしどうしてもFacebookに耐え切れなくなったのなら一度、いいね!もコメントもコメント返しも一度やめてみるのもいいかもしれません。その時にもし村八分に合うようなことがあったのなら、いっそのこと今の人間関係を断ち切ってもよいのかもしれません。それだけのことで友人を排斥するような窮屈な人間関係の中にいたってどうせ疲弊するだけです。

職場や学校など、抜けづらいコミュニティの場合は、習い事やバイトを始めてみたりすると今いるコミュニティが相対化されて多少余裕を持って俯瞰することができるかもしれません。

たしかにFacebookは論文の指摘の通り、うつを誘発するかもしれません。しかし、本来はFacebookも人間関係も楽しいものです。疲れすぎるほど依存せず、ゆるく満喫することを心がけるのがよいでのでしょう。