たまには自分にご褒美をあげることが必要だ。いいものを食べ、旅行に行き、思う存分眠り、そうして自分のモチベーションを維持している人も少なくないだろう。なかでも特に効果を発揮するのは『ブランド』らしい。たしかに自分の好きなブランドを身につけるとテンションは上がるものだ。

しかし、どうやらそんなレベルの話ではなさそうだ。なんと有名ブランドの製品を身につけると、モチベーションどころか本人のパフォーマンスが向上するという。もっともそれは『思い込み』が功を奏するゆえだというが……。

プラシーボ効果

本当は効き目のない薬を与えたにもかかわらず、なんらかの効果が見られること。

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ファッションが人を変える

『好きなものを身につけるとやる気が出る』という発想はわかりやすいが、実際の効果を自ら確認する人はなかなかいない。この研究に取り組んだのは、ケンタッキー州のガトン経営経済大学でマーケティングを教えるアーロン・ガーベイ氏だ。彼は『特定のブランド製品がパフォーマンスを向上させる』という考えは本当なのか、いくつかの実験によって検証している。

スポーツの場合

ガーベイ氏はゴルフパターの試作品に関する市場調査で実験を実施した。参加者はみな同じパターを使い、実際にゴルフのパッティングに挑戦している。しかしガーベイ氏には企みがあって、事前に参加者の一部にはパターを『ナイキ製』だと伝えたのに対し、ほかの者には『ノーブランドの製品』だと知らせていたのだ。実験の結果、パターを『ナイキ製』だと思っていた者はその他に比べてスコアが約20%高かったという。

ナイスパット!

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勉強の場合

では、運動ではなく勉強、机の上の作業ならばどうだろう。別の研究では、参加者は耳栓を使って数学のテストを受けている。気が散らないように、集中できるように……という名目で配られた耳栓のパッケージには、一部にだけ『3M』(大手メーカー)製品の表記がなされていた。すると『3M』製品だと思っていた者は、やはり多くの問題に正しく答えられたという。

このように、スポーツでも勉強でも『思い込み』は実際の成果に高い影響を与えるようだ。ガーベイ氏は「ブランド製品がタスクの『不安』を軽減することがよりよい成果につながっている」と分析する。すなわち、比較的強いブランドの製品を使うことがタスクに取り組むうえでの自信につながり、不安に打ち勝つことができるわけである。

ブランド製品もケースバイケース

たとえば、グッチ製品は『運動』の局面ではあまり効果を発揮しなかったという。

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こんな人には効かない

もちろんブランド製品は誰にでもこうした効果を発揮するわけではない。運動にしろ学問にしろ、経験を積んだいわゆる『プロ』には効果を発揮しないというのだ。たとえば、その分野に不慣れな人がタスクに取り組む場合、自分自身への疑いや不安があるため、ブランド製品の効果が発揮されやすい。しかしプロの場合、タスクに取り組む自信も十分にあれば不安も少ないだろう(そもそもその道のプロがブランドに頼るところは見たくない)

不安な分野にこそ効く

スポーツが苦手なら有名メーカーの靴、メイクが苦手ならブランドものの化粧品。

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いずれにしても筋肉が膨れ上がったりIQの数値が変わったりしない以上、ブランド製品はあなた自身の『実力』を向上させるものではない。あくまで精神的なものを要因としてパフォーマンスが向上する以上、肝心なのは自分がその製品をきちんと信じられるかどうかだろう。では、もしもあなたがブランド全般に興味がなかったとしたら……、残念ながら別の方法に期待するしかない。

REFERENCE:

Fashion can boost your BRAIN: Placebo effect of designer labels can improve performance at work and the gym, researchers find

Fashion can boost your BRAIN: Placebo effect of designer labels can improve performance at work and the gym, researchers find

http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3453696/Fashion-boost-BRAIN-Designer-labels-improve-performance-work-gym-researchers-find.html