『生きた化石』のひとつであるシーラカンス、かつてはすべてが絶滅したと考えられていましたが1983年南アフリカの北東海岸のチャルムナ川沖で発見されました。そのシーラカンスに、いまは使われていない肺が存在していることがわかりました。

Before the dinosaur age, the coelacanth — a hefty, mysterious fish that now breathes with its gills — sported a well-developed lung, a new study finds.

肺の痕跡を発見

ブラジルのリオデジャネイロ州立大学がNature Communicationsに発表した研究によると、シーラカンスの幼魚と成魚の標本を解剖、スキャン、三次元復元の結果によって今回の発見がなされました。発見された肺の大きさと身体の割合は幼魚時と比べ成魚になった際には大きな違いがあり、初期の段階では呼吸可能に見えるほどの大きさに見えますが、身体の成長に反して肺は成長しておらず成魚の際には非常に小さくしなびた形になっており呼吸の役には立ちません。研究チームはこの肺は実際に機能している器官ではなくかつて有していた痕跡であるとしています。

かつては肺呼吸をしていた可能性

現在のシーラカンスは他の魚類同様に鰓呼吸を行っています。しかし今回の発見で、数百万年前の彼らの祖先は発達した肺を持っており、鰓と肺の双方を使用して呼吸していた可能性が高いという結論が出されました。化石化したシーラカンスの腹腔内に大きな臓器の痕跡があることは19世紀から知られていましたが、これまではそれは膀胱か浮袋ではないかとされていたものの不明のままでした。それが、今回肺であるという結論に至り、肺呼吸ができたとすると、6600万年前に発生した恐竜を含める大量絶滅の時期に浅瀬で生息してたとされるシーラカンスが生き残ることができた原因が判明するかもしれないと研究者は語っているそうです。

肺呼吸も行っていたシーラカンスが、やがて一部の種が生活を浅瀬からより酸素圧の変化が少ない深海へと移動させることによって肺に頼ることをやめ、鰓のみを用いるようになったことで肺が退化し、機能しなくなっていったと考えられています。

シーラカンスにはいまだ解明されていない点が数多くあり、卵胎生であることは化石から推測されていましたが原生種の解剖によってそれが判明したものの、雄の外性器はいまだ発見されておらず交配方法に関しては不明のままです。今回の肺の名残の発見のように、今後の新たな発見が期待されます。

REFERENCE:

Photos: Ancient Fish Had Well-Developed Lung

Photos: Ancient Fish Had Well-Developed Lung

http://www.livescience.com/52172-ancient-fish-lung-development-photos.html

‘LIVING FOSSIL’ FISH HAS LUNGS

http://www.popsci.com/living-fossil-fish-has-lungs

Allometric growth in the extant coelacanth lung during ontogenetic development

http://www.nature.com/ncomms/2015/150915/ncomms9222/full/ncomms9222.html

This ‘Living Fossil’ Fish Has a Lung

http://mentalfloss.com/uk/animals/33428/this-living-fossil-fish-has-a-lung

シーラカンス – Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B9