ロンドンの町並みに建つ赤いレンガ造りの家、一見普通の建物に見えますが、静かにそしてゆっくりと、おかしな事が起きています。

普通の家に見えるのだけれど……。

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Angie Dixon and Tommo

壁から何か出ている、いや

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溶けてる?

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窓もめくれている。

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人が集まり始めた。

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Angie Dixon and Tommo

なんとこの建物少しずつ溶けだしていっています。そして注目を集めた結果、レンガが溶け出したのは地球温暖化のせいじゃないか、という人まで出てきました。一体なぜこんなことになってしまったのでしょうか?

地球温暖化のせいではない

この建物を支えているレンガ、実は粘土以外の物で作られています。

この建物を制作したAlex Chinneckは、30日強で融解する実寸大の二階建て建築を作るにあたって8000個のロウのレンガを用意した。
レンガはパラフィンを素焼き板の型に入れて固める事で作成した。

家の屋根以外の全ての物がパラフィンでできています。パラフィンは、ロウソク、石けんの包み紙、油紙など生活の中で様々な物に使われています。

パラフィンは常温において半透明ないし白色の軟らかい固体(蝋状)で水に溶けず、化学的に安定な物質である。
ロウソク、クレヨン等で身近に使用され、生活場面ではしばしばロウとして扱われるが、化学的には日本のロウと西洋のワックスは全く異なるので留意する必要がある。

素焼きの型に流し込んで固める。

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iIluminate Productions

ひっくり返す。

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チョコレート飴みたい。

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窓もロウで作った

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Angie Dixon and Tommo

彼は一年前から化学者、ロウ製造業者そして技術者と協力して、本物の色やきめの荒さや個々のばらつきを限りなく再現した上で、効果的に溶けていくレンガを作る方法を探っていったそうです。

溶けていく家

Alex Chinneckは、ロンドンを拠点とする芸術家です。これまで彼は、ロンドンの商工業施設や施設が刻んできた歴史などから発想を得て、立体的な構造物を作り上げてきました。それらの作品は、老朽化がすすんで近々取り壊される建物またはその跡地において制作され、その場所で建物が経てきた生活と歴史を祝福する意味合いが込められているという事です。
この場所には2世紀前に建った、古いロウソク工場があったそうです。

作品タイトル「A pound of flesh for 50p(50ペニーの厳しい請求)」

最後には屋根だけが残る。

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タイトルに込められたChinneckの意図は分かりません。ただこの場所にロウでできた建築物が建った事に、そして一ヶ月あまりで溶けて消えてしまう事に意味はあるのかもしれません。

MERGE FESTIVALは年一回開催される、ロンドンはバンクサイドの豊かな伝統と現代的な文化をアーティストが表現する、アートと音楽とパフォーマンスの祭典です。
9月18日から10月19日まで開催されています。

Alex Chinneckが参加しているMERGE FESTIVALでは、他にもバンクサイドの街を舞台に様々な催しが行われています。

REFERENCE:

MERGE 2014

MERGE 2014

http://mergefestival.co.uk/merge-events-2014/2014/9/19/alex-chinneck-a-pound-of-flesh-for-50p-the-melting-building