ポーランド共和国、首都ワルシャワの郊外にある森林に、とある一軒の家が建ちました。

いまだ中世の建物が数多く残るポーランドでは、この家を都市圏に建てることはきっとできなかったことでしょう。もしかすると他の国でも、それは難しいことかもしれません。なぜならこの家、なんと地上に建っているものではないのです。

Tucked away in dense woodland, this home may just be the perfect place for some quiet reflection – even if its design does make it tricky to find.

宙に浮く家

まずはご覧いただきましょう。これが噂の『宙に浮く家』です。

宙に浮く白いボックス。

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「しかし」というべきか、「もちろん」というべきか、この家は本当に宙に浮いているわけではありません。建築家のマルチン・トマシェフスキ氏は「この家は2階建てのミラーハウスだ」と述べています。

彼の言うとおり、実際に視点を変えてみると、上の画像では見えなかった1階部分が現れてきました。

正面から

意外と隠れていない。

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裏側から

生活空間はきちんと外に開けている。

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“Izabelin House”と名付けられているこの家は、1階部分が鏡張りになっているのに対し、2階部分が白く塗られています。

周囲の木々や茂みが映ってカムフラージュされている1階の上に、「白いボックス」の2階が乗っていることで、まるで家が宙に浮いているように見えていたのです。

建物を上から見た図

1階が水色、2階がピンク色。

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ですから、まるで宙に浮いているかのように見えた1枚目の写真は、図の③の位置から建物を見たものだったのです。同じく、「正面から」の写真は①、「裏側から」の写真は④の位置から建物を見たときのものです。

この建物が鏡張りになっている理由は、「建物が周囲の環境に与える影響をできる限り抑えるため」だといわれています。コンセプトは部屋の中まで徹底されており、生活空間も開口部は大きく取られていますが、配色には周囲と調和するダークブラウンが用いられています。

1階内部

異次元。

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建物正面

図でいうと①を右側から見たもの。

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建物裏側

図でいうと④を左側から見たもの。

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しかしこの家は、もともと鏡張りの建物として造られたわけではありませんでした。“Izabelin House”は、一度普通に建てられた後、つい最近この形にリフォームされたものです。

この『擬態』する建物は、完成するやいなや、すぐさま話題を呼んでメディアに取り上げられました。

かつての姿

現在とは全然違う。

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この『宙に浮いた家』は鏡を利用した古典的なトリックですが、遠く離れたアジアの地では、ハイテクな方法で建物を『擬態』させようとしていたのです。

韓国・スケスケ高層タワーの挑戦

高さ453メートル、世界で6番目の高さを誇るタワー“Tower Infinity”は、現在韓国で建設の準備が進められています。2008年、韓国土地住宅公社のデザイン・コンペティションを勝ち抜いたこのタワーは、なんと『アンチ・ランドマーク』の言葉を掲げていました。

らしからぬ存在感。

Architizer[/image-author"]

このタワーは、表面がLEDで覆われていることが大きな特徴です。外側には、6つの角度にそれぞれ3段階の高さで高精細カメラが設置されています。撮影された映像はリアルタイムでLEDに表示するというのです。

周囲の映像を自分自身に表示することで、このタワーは光学迷彩のように『擬態』することが可能になるといいます。もちろん、飛行機や鳥の高度からは見えるようになっており安全性についても問題ないそうですが、なんとなく不安です。

光の柱が天に昇っていく……ように見える?

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韓国政府は2013年9月に建設許可を出しており、現在『擬態するタワー』の実現が待たれている状況です。

しかし光学迷彩の研究では、全方位から見て破綻の生じない映像の技術は残念ながら確立されていません。結局LEDは広告を表示するんじゃないかと懸念もされています。がっかりな結果にならぬよう、しっかり透けてほしいものです。

2011年、NOKIAの携帯電話宣伝イベント

ロンドン・ミルバンクタワー(高さ118メートル)に映像を投影した。

周囲の環境に自身をカムフラージュすることで身を隠す。ポーランドの『宙に浮く家』と韓国の“Tower Infinity”、その実現のために人々が費やしているエネルギーは途方もないものです。ただし、見世物として楽しむぶんには別として、我が家の隣にあって欲しいかと言われれば、それは別問題なのですが……。

REFERENCE:

The perfect place for some quiet reflection: Top floor of Polish woodland home appears to be floating because the ground level is covered in MIRRORS

The perfect place for some quiet reflection: Top floor of Polish woodland home appears to be floating because the ground level is covered in MIRRORS

http://www.dailymail.co.uk/news/article-2977977/The-perfect-place-quiet-reflection-floor-Polish-woodland-home-appears-floating-ground-level-covered-MIRRORS.html

Reform Architekt

http://reformarchitekt.pl/

Mirrored Home in Poland Looks Like It’s Floating in a Forest

http://curbed.com/archives/2015/02/25/mirrored-home-in-poland-looks-like-its-floating-in-a-forest.php

Now You See Me, Now You Don’t: World’s First Invisible Tower Gets The Go-Ahead

http://architizer.com/blog/gds-invisible-tower-infinity/

Towet Infinity – Wikipedia

http://en.wikipedia.org/wiki/Tower_Infinity