ダウンタウンの浜田雅功が歌う『なんでやねんねん』が発売されたが、ネットの情報によるとこの曲の前に浜田雅功がメインボーカルを務めたCDは2004年に発売された『チキンライス』らしい。そういえば最近スーパーに行くと店内BGMでチキンライスがよくかかっている気がする。そういう販促活動なのかと思ったが単にクリスマスシーズンだからのようだ。

クリスマスといえば樅の木とサンタクロースとケーキという印象だが、世間では家族や恋人同士でクリスマスプレゼントをあげたりもらったりする風習があるらしい。聞くところによるとこのクリスマスプレゼントの慣習、非常に面倒なものらしい。曰く「彼氏(彼女)が何を欲しいかわからないから選ぶのにとても苦労する」と。なるほど、たしかに相手の欲しいものがわからない状態でのクリスマスプレゼント選びは非常に悩ましいものだ。もし選択を誤ってしまうとその年のクリスマスは悲惨なものになりかねない。記者も小学生の頃にクリスマスプレゼントに欲しくもないおもちゃをサンタから受け取ってしまいあからさまにテンションを下げた覚えがある。

記者の場合は翌年からわざわざ両親の前でサンタに欲しいものを宣言するという強硬策に出ることでお互いのストレスを解消することに成功したが、さすがに恋人同士ではそういうわけにもいくまい。なんとかお互いの気分を害さずにプレゼント交換を済ませてしまいたいと思う人が多いはずだ。

そんな迷える人々のためにイギリスの心理学者、エイドリアン・ファーナムが心理学に基づいたクリスマスプレゼントの選び方についての記事を書いている。今回はそれに基いて具体的に『来年からももうこれだけ送っておけば完璧』なクリスマスプレゼントを考えてみようと思う。

Christmas is a time of giving and receiving. Many people find both activities difficult, not least because presents are imbued with meaning. They can be statements of influence, power, taste, sympathy, status and emotion.

プレゼントは相手に気持ちを伝えるもの

ファーナム曰く、プレゼント選びのトラブルは相手をどう思っているかを『見せる』プレゼントを選ぶから起きるという。勿体つけた言い方だ。どういうことだろう。

プレゼントはあげる人がもらう人をどう思っているかが表れるという。それはそうだ。プレゼントには喜んでもらうため、楽しんでもらうため、あるいは嫌がらせのためと様々な目的があるが、どの目的だろうと自分が意図した感情を相手から誘発できるかを考える必要がある。このプレゼントを渡したら相手は喜んでくれるだろう、楽しんでくれるだろう、嫌な顔をするだろう。当たり前の話だがこの最低限の部分を外すわけにはいかない。

そのためには相手が何を好きかということと相手がどう思われていたいかを知る必要がある、とファーナムは言う。毎日ごはんを山盛り食べる人にクリスマスプレゼントとして「好きでしょう?食べ物」と豪勢な食べ放題に連れて行ってもあまりいい顔はされない可能性が高いということだろう。『あ、この人の中で自分はただの大食いって印象を持たれてるのだな』と思われかねない。たとえ三度の飯より食べることが好きでも『大食い』という第一印象を持たれるのは勘弁願いたい(特に恋人からは)人は多いだろう。

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他にファーナムは男性が女性に『使い勝手のいい家具』などをプレゼントするのを失敗例として挙げている。『この人にとって私は家政婦みたいなものなんだな』と思われかねない、ということだろう。結構恐ろしいことだがこの手の話はしょっちゅう耳にする。しかも男性には全く他意はなく(ないと思っている)『便利だし困ってそうだったから』という理由だったりする。その意見は認めるがプレゼントにはしない方がいい。そもそもそれは二人で使うもののはずだ。

というわけで、相手をどう思っているかを正直に見せてしまうのではなく相手がどう見られたいのかを考え、それを『伝える』のが良いのだという。

プレゼントはシンボル

似たような話で、プレゼントが相手への不満などと取られかねない象徴的なものは避けた方が良いという。上記のたとえ話の登場人物を再登場させるならダイエット器具を渡したりするのは愚の骨頂というわけだ。その他ファーナム曰く、体臭で悩んでいる人に香水、肌で悩んでいる人に化粧品、習慣的に遅刻をする人に時計をプレゼントするようなマネは避けた方が良いという。言っていることはわかるが相手が何を悩んでいるかなど余程のことがない限りわからないような気がするしそんなベタなプレゼントにダメ出しされるとこちらとしてはとても困る。

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この分だと宝石を渡しても『輝きが足りない』と思われてると思われかねない。

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そもそも時計をプレゼントされて「自分がいつも遅刻しているからか!」と憤慨する人は余程の自意識過剰と思われるが、ともあれ下手に波風を立てるのも面倒だし何かを指摘すると思われかねないプレゼントは避けた方が無難なようだ。

高ければいいわけではない

随分とプレゼントにすべきでない物の話が続きそろそろ『もうそこそこ値段が張ってればそれで満足してもらえるんじゃねーの』と思考停止に陥りたくなる人もいるかもしれないがそれも良くない。プレゼントは一種の支配あるいは束縛になりえる。たとえばだが貧乏と金持ちのカップルがいたとして10円のチロルチョコの代わりに十億円の豪邸をプレゼントされたとしたら貧乏な一方は「このプレゼントに報いなければ」と思ってしまいかねない。大事なのは金額ではないが金は数値によって測れるもので、数値にして測れるものは目安にされやすい。ある程度、お互いのプレゼントが同等の価値になるのものにおさめておくのが穏当だ。三倍返しくらいにしておこう。

あまり親しくない時の高価な贈り物は特に注意

また、付き合いたて、あるいは付き合う前の男女間で男性が妙に高いプレゼントを送ることがあるが、これは特に良くないとファーナムは指摘している。

チンパンジーのオスはメスに食べ物の贈り物をして『お近づき』になろうとすることが知られている。露骨な言い方をすれば性的な賄賂だ。チンパンジーの世界ではそういうプレゼントで成功をおさめるかもしれないが人間の世界ではそういうわけにもいかない。男性の露骨な感情が見えて女性は引いてしまうという。男性がチンパンジーと同レベルかはともかく男性も親しくもない女性から突然に高価なプレゼントを送られても困惑するだろうので男女に限らず親しさに釣り合わない『重い』プレゼントはやめた方がいい。ちなみに仲良くなってから安いプレゼントを渡すと『ケチな奴』と思われるとファーナムは言っている。どうしろと。

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プレゼントの価値は平均化される

さて、そろそろ消去法をやめてどういうものを選ぶべきかという話に移ろうと思うがその前に一つだけ注意しておきたいことがある。それは複数種プレゼントを渡した場合の価値は加算ではなく平均で取られるということだ。

ファーナム曰くメインのプレゼントの他に『おまけ』として安いプレゼントを用意すると、メインのプレゼントの上に『おまけ』の価値が足されるわけではなく、受け取る側はメインと『おまけ』の価値の平均をプレゼントの価値と感じてしまうのだという。確かに本当に欲しい物をもらった後に『ビミョー』な物をもらってしまったらリアクションに困ってしまう。片方ばかりを喜ぶわけにはいかないので妙に演技じみた喜びを表現してしまいかねない。手放しに喜ぶリアクションができないのはそれだけで本当にプレゼントをもらった喜びを減じてしまう。

喜ばれるプレゼントの特徴

ファーナムは記事の中で特に喜ばれるプレゼントの特徴を挙げている。こういうのを待っていたのだ。特徴は以下のようなものだ。

1.二人の記念となる物(あとで二人で思い返したりできる特別な意味を持つ物。記念品など)

2.作るのに努力と時間の要る物(手作りの物など)

3.サプライズ(演出上の問題)

4.相手を元気付けるような物(思いやりが伝わる物)

5.相手が本当にほしい物(本当に欲しいと思っているのだが高くて買えない物など)

どれも納得できるがクリスマスプレゼントに利用できるかというと微妙なものがいくつかある。さすがに旅の記念品などをクリスマスプレゼントで渡すわけにはいかないだろう。というかそもそもさっき『高いのはやめた方がいい』と言っていたはずでは。

1番と5番を除外すると突然(サプライズ)の手編み(手作り)のマフラー(思いやりが伝わる)が一番良いように思えてくる。それでも充分なのだが、既に去年渡してしまったという人もいるだろうし毎年マフラーというのも味気がないかもしれない。

結局『プレゼントを考えるのが面倒だから自動的に決める方法はないものか』と考えること自体が間違っているのだろうか。当たり前だが、その通りだ。

相手が唯一無二の存在であることを示す

ファーナムが言うにはプレゼントが特別なものとなり、相手を喜ばせられるかは渡す人にとって相手が唯一無二のかけがえのない存在だということを示せるかにかかっているという。人は常に自分が何者であるかを考え、自分自身を認めてもらい大切にしてもらいたい生き物だ。相手がどのような物が好きでどのような物に興味があるかをわかっていて、大切に思っている。それを伝えることができれば相手は喜んでくれるしそれを示せるのがプレゼントなのだ。どんなに高価なものであろうとその気持ちが示せなければ意味がないのだ。

相手の事を理解するのは容易なことではない。3日前に好きだったものが今は好きではないなどということがいくらでもありえるしどれだけ理解したつもりになってもまた新しい発見をすることがある。その度に相手のことをよく見て今この瞬間に相手が望んでいる物を考える。相手の気持ちがわからない以上、失敗しないプレゼントの選び方など存在しないし、だからこそプレゼントは意味のあるものになるのだろう。きちんと相手のことを考える。これが大切なことなのだろう。

と思ったのだが、最近のファーナムの研究によるとiTunes Storeで『自分の好きな音楽』と『相手の好きそうな音楽』の二種類をプレゼントさせる実験を行ったところ自分の趣味をゴリ押しした方が相手に喜ばれることがわかったらしい。もうどうすればいいんだよ。

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渡す相手の熱意なども伝わってくるし趣味を推してくる方がいいというのも理解できるが。

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ちなみにだがこれらの研究を総括して最適なプレゼントを考えると『相手のことを歌ったオリジナルソング』になる。記念にもなるし手作りだし驚くだろうし元気付けられるかもしれないし相手に自分がどう思っているかを伝えることができる。今もプレゼントに悩んでいる人は宝石店に行くのをやめてそのお金を持って楽器屋に行ってギターを買うといい。今からがんばればFのコードくらいは押さえられるだろう。

そういえば大学時代に彼女の誕生日にオリジナルソングを作ると言って10万円もするMTR(マルチトラック・レコーダー)を買った友人がいたがあれからどうなっただろう。結果を聞いておけばよかったと思う。

REFERENCE:

The Psychology of Christmas Gift Giving | Psychology Today

The Psychology of Christmas Gift Giving | Psychology Today

https://www.psychologytoday.com/blog/sideways-view/201412/the-psychology-christmas-gift-giving

Psychologists reveal the tricks behind giving the perfect Christmas presents | Daily Mail Online

http://www.dailymail.co.uk/news/article-3358151/Think-don-t-bundle-expensive-gift-cheap-one-NEVER-spend-early-relationship-Psychologists-reveal-tricks-giving-perfect-Christmas-presents.html?ITO=1490&ns_mchannel=rss&ns_campaign=1490