IL-33と呼ばれるタンパク質を投与することでアルツハイマー病に罹ったマウスが一週間で通常のマウスと同じくらいに記憶力と認識能力が向上したとの研究がグラスゴー大学と香港大学により発表された。研究者はこの研究を人間のアルツハイマー病の治療に役立つ可能性があると指摘している。

The study, led by scientists at the University of Glasgow and the Hong Kong University of Science and Technology (HKUST), has discovered that a protein called IL-33 can reverse Alzheimer’s disease-like pathology and cognitive decline in mice.

アルツハイマー病は認知症の主な原因の一つで、一説によれば2030年には罹患者数は全世界で6500万人に至ると言われている。

IL-33は人間の体内にもマウスの体内にも普通に存在するタンパク質で、特に脳などの中枢神経系に数多く存在する。このIL-33をアルツハイマー病と同様の症状を持ったマウスに投与したところ、一週間ほどで記憶、認識能力が通常のマウスほどに改善したという。

アルツハイマー病の一因として大脳皮質内でアミロイドβタンパク質が凝集するアミロイド斑の存在と神経原線維のもつれが挙げられる。これらの存在によって神経細胞同士の接続が失われ、神経細胞が死滅し脳組織が失われてしまう。

マウスの投与の実験ではIL-33はアミロイド斑を消す効果と、アミロイド斑の増加と神経原線維のもつれの原因となる脳組織の炎症を抑える効果があったという。このことからIL-33はマウスのアルツハイマー病の治療だけでなく予防にも役立つと研究者は見ている。

IL-33が人間に効果があるかどうかは未だ確かめられてはいないが、研究者はさらに研究が進められれば人間の治療にも役立てられると考えている。既にこれまでの研究でIL-33の変異体とアルツハイマー病に関わりがあることが中国人とヨーロッパ人での実験でわかっており、アルツハイマー病患者の脳内にはアルツハイマー病に罹患していない人よりもIL-33が少ないことがわかっている。人間に投与して即座に治療に向かうかどうかはわからないが、IL-33とアルツハイマー病に深い関わりがあると研究者は予測しているようだ。

REFERENCE:

Protein research offers “promising” potential treatment of Alzheimer’s disease

Protein research offers “promising” potential treatment of Alzheimer’s disease

http://www.gla.ac.uk/news/headline_456223_en.html


top image by Mouse model of Alzheimer’s disease/NIH Image Gallery/flickr