フランスパリで行われたその集会は白いマスクの人ばかりで埋められました。彼らはたばこ産業関係者であり、たばこ規制に反対表明するために着用しているというのです。

出席者らが着けていた白いマスクは、仏政府が提案している無地のたばこ包装導入計画への反対の意思を表明するもの。この提案は、16歳未満の若年層の高い喫煙率を引き下げることを目的に9月25日に発表された。(c)AFP

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仮面舞踏会ではありません

マスクと言うよりは仮面やお面といった方がしっくりくるかもしれません。仮面をつけて集まると言えば仮面舞踏会。西洋では仮面をつけて集まるのが好きなのでしょうか。一様に口がぎゅっと結ばれた表情で、反対の姿勢を表しているのに合った感じがします。場内前から奥までずらりと装着していない人は一人もいないように見受けられます。これだけ並ぶと怖いです。

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誰が誰かわからないようですが集会の進行には支障はないのでしょうか。マスクの下で彼らはどのような気持ちでいるのでしょう。たばこ吸いたいって思っているかもしれませんが、このマスクでは無理です。

マスク着用はたばこ包装と関係があるらしい

このマスクなぜつける必要があるのでしょう。たばこ包装とマスクには何の関連性もないかと思いきや実はおおありです。今回政府が提案した規制内容は、たばこ製品に無地包装を適用するというものでした。これが実現すると製品には商品名のみが記入され、背景や柄は全て省略されてしまいます。たばこ包装は製品の顔であり、無地包装は顔なしであるとして、顔を覆うマスクで表して業者が反対したという訳です。

 
   

仏団体「反たばこ連盟(Alliance contre le tabac)」が提案した「無地のたばこ包装」デザインの例。

 

ぱっと見どの製品なのかがわかりにくくなり、製品ごとのイメージまでも取り払われてしまい、消費者は自分に合っているかをイメージで見分けることができない。

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柄のついたデザイン

その背景・ブランドマーク・製品名のフォントは製品の雰囲気や新鮮さを与える。消費者はこれを見て感性に合っているかどうかを考え、デザインが自分に合っていないと判断されれば購入を見送るだろう。包装に記入される製品情報とブランドイメージが省かれることに業者は反対している。

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フランスのたばこ事情

フランスでは2008年政府導入の禁煙禁止法によって、公共の室内での喫煙が全面禁止にされました。ただし規制のもとでの一部喫煙室許可がなされています。これも厳しい条件がつけられています。政府は喫煙増加について、例えばマリソル・トゥーレーヌ保健相によると、年ごとの喫煙で成人1300万人喫煙うち7万3000人が死亡につながっているとして警戒しています。

この規制によって増加に歯止めがかかったかといえばそうとも言えませんでした。一方で最近電子たばこという新たな代替製品が注目を集め、さらなる喫煙増加の原因の一端となっています。
この電子たばこはフランスでの取り扱い店急増のためかなり入手が容易になり、その喫煙の増加を引き起こしています。トゥーレーヌ保険相では「喫煙したことがない若い人にとって、電子たばこは喫煙への入り口になる恐れがある」としています。

電子たばこ

カートリッジ内の液体を発熱により霧状の微粒子にして吸引するもので、ニコチンは含まれるが、タールや一酸化炭素といった害ある副流煙が発生せず他人に迷惑がかからない。

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このような社会状況のなか、これほどたくさんの人数による集会が行われました。フランスでの消費が多いのは、たばこで生計を立てている人が相当多いこととも大きく関わっているようです。政府と産業サイドの対立は今後も続きそうです。