外出中に急激な腹痛に襲われ、駅のトイレやデパートのトイレ、またはコンビニのトイレに駆け込んだ経験がある人もいるでしょう。しかし、一仕事終えてスッキリすると、私達はトイレなどには感謝せずにさっさとどこかへ行ってしまいます。ところが、この当たり前であるトイレがない為に困っている人々も世界にはいるのです。トイレなき国の一つであるインドで、トイレフェスティバルなる催しが開催され、注目を集めています。

国際トイレフェスティバル

『世界トイレの日(World Toilet Day)』に先駆け、インドのトイレ問題を考え改善を図ることを目的とし、ニューデリー(New Delhi)でフェスティバルは開催されました。

世界トイレの日は11/19日。日本人としては10/10日にしても良い気がします。

インドでは人口の半分である5億9000万人の人々がトイレを持っていません。その為に人々は屋外で用を足し、生活は不衛生になりがちです。
人間の大便にはおよそ1000種類の細菌が含まれていて、その細菌はユニセフが唱える『4F』によって媒介され人々を下痢にさせます。特に抵抗力の無い子供はこの下痢で死亡する可能性が高く、世界ではなんと一日に1400人の5歳未満の子供たちが死んでいます。

また、インドでは共同トイレで用をせざるおえない女性がレイプの被害者になるという事件が多発していて、問題に拍車をかけています。

屋外で用を足すインド人

『4F』とは指(Finger)、水 (Fluid)、地べた(Field)、ハエ(Fly)を意味する。この環境では『4F』が猛威を振るうのも納得だ。

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DAWNPAGES

なぜインドではトイレが普及しないのか

インドはIT産業の発展が目覚ましく、携帯所有率は53.2%です。ところが、家にトイレを所有している家庭は46.9%しかないというデータがあり、普及率が問題になっているのです。実はインドには元々、外で用を足すという数世紀も続く古い文化があります。ニューデリーにある経済研究機関『RICE』からは「多くのインド人が外で用を足すことをすがすがしく、健康的で、良いことだと思っている」という調査報告があります。

また、カースト制度も普及を妨げる要因の一つです。カースト制度の階級にすら属せない人々をアウトカーストと呼びます。アウトカーストに属するダリットの中には屋外にされた便を手で片付け、それによって生計を立てている『マニュアル・スカベンジャー』と呼ばれる人々がいます。トイレを整備するという事は彼らから仕事を奪うことに繋がるのです。

トイレの聖人

インドにはトイレの聖人と呼ばれるパタック博士という偉大な人物がいます。博士はインドにおけるトイレ問題の本質を見極め、まず特殊なトイレを考案しました。

パタック式トイレは低コストで設置出来る上、どこにでも設置可能です。また、通常のトイレは10リットルの水を必要としますが、このトイレでは2リットルで済みます。一日にインドでは1000万人の方が使用していて、120万戸以上の家屋に設置され、1250箇所の都市で7500台が公共トイレとして設置されています。

博士の偉業はここだけに留まらず、コンピュータや裁縫技術の習得を目的とした職業訓練校を開校し、パタック式トイレにより職を失ったダリット達が『マニュアル・スカベンジャー』に戻らないよう尽力しています。

パタック博士とパタック式トイレ

パタック式トイレは便器と地下に設置したレンガ造りの2つの穴から出来ている。説明の為にこの2つの穴をAとBとしよう。パイプで便器と繋がっているAは排泄物を蓄え、自然分解し肥料とする。3年ほどでAが一杯になったらBに切り替え、Bが一杯になったらAに切り替えるという仕組みだ。

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MANAV EKTA MISSION

今回の国際トイレフェスティバルを通し、より多くの人々がトイレの重要性について知って欲しいものです。そうすれば、いつか本当にスッキリ出来る日も来るのではないでしょうか。

REFERENCE:

AFPBB News

AFPBB News

「世界トイレの日」にあわせインドでトイレの祭典
http://www.afpbb.com/articles/-/3032142?pid=14819845