イギリスはマージサイド州にあるニュートン・ル・ウィズローと呼ばれる長閑な街で、月曜の朝方、犬を散歩していた近隣住民がなんとアザラシを見つけました。海岸から32キロも離れた街に突如現れた珍客は、運動場の青い芝の上でゴロゴロしていたそうです。

アザラシ現る!

‘Distressed and unfriendly’ seal discovered in Merseyside field sparks police investigation

見つかったアザラシ

土の上だとそういう動物のように見える。

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Miller

通報を受けると、警察はすぐにアザラシの保護に乗り出しました。『BDMLR』と呼ばれる英国海洋生物保護団体と『RPSCA』動物保護団体、また地元消防団の協力を得た救助活動により、4時間後に無事保護されました。長い棒によってアザラシをフェンスに追い込み、トレーラーに乗せたそうです。決めては鯖の切り身だったとか。アザラシは極度に疲労していたらしく、動物病院に運ばれ治療を受けていますが、経過を見て海に帰されるそうです。

アザラシ騒動の一部始終

どこからきたの?

近隣住民は、アザラシの出現を興奮気味に振り返ります。

近くのストアで働くNicola Watkinson氏は「デカいトドがいるぞ〜!って叫ぶ男がいて驚いたよ。それからすぐに野次馬がいっぱい集まってきて、警察も大人数で現れたんだ」と言っています。また、人々の関心を一番引いたのはアザラシはどこからどうやって来たのかということでした。農業を営むGary Watkins氏がひそかにアザラシの足跡を辿ったところ、小川まで続いていたそうです。結局、人々はそこからアザラシが現れたと納得しましたが、海からはかなり離れていて、アザラシが多く住むHibre島からは約80キロも離れています。真相は未だに分かりません。

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あっさり捕獲。

ところで、アザラシって淡水を泳げるの?

アザラシは哺乳類のグループである鰭脚類(ききゃくるい)に含まれます。そのため、当然のことながら浸透圧に関係なく淡水で生きられます。しかし、魚や貝類、イカを主食とするアザラシにとって淡水はエサが少ないそうです。加えて、浮力が海水よりも少ないので疲れやすく、また寄生虫がつきやすいために長時間生活することが不可能です。したがって、小川を遡って辿り着いたという仮定は可能ですが、少なくともアザラシにとっては大変疲れる旅だったでしょう。

タマちゃん

2002年8月に東京の多摩川に現れたアゴヒゲアザラシはタマちゃんという愛称を付けられ人気者になった。実はタマちゃんの場合、『汽水域』と呼ばれる淡水と海水が混ざるエサの豊富な場所に出没していたそう。捕獲はショック死させるかもしれないという理由から取りやめられ、行方は不明となったが、東京荒川のアラちゃん、鳥取県に現れたコヤちゃんなど同様なアザラシ出現ニュースはその後も世間を賑わせた。

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朝日新聞デジタル

海に住むアザラシが、我々人間のそばに来るという話はよくあることなのでしょうか。しかし、どの件も人々が騒ぐ割には理由が定かではありません。海に飽きたのでしょうか、あるいは仲間はずれになったのでしょうか、もしくは何か恐ろしいことが自然界に起こっているのでしょうか。今度、土の上で見かけたら尋ねてみようと思います。

REFERENCE:

The Guardian
The young male grey seal was discovered on Monday by a dog walker. It was flapping against a fence post by Newton brook in Newton-le-Willows, near St Helens, which is 20 miles inland.

The Guardian
The young male grey seal was discovered on Monday by a dog walker. It was flapping against a fence post by Newton brook in Newton-le-Willows, near St Helens, which is 20 miles inland.

http://www.theguardian.com/uk-news/2014/dec/22/seal-found-in-field-merseyside-rescue-under-way