最初に世界で最も長い種類に記録されたアメニシキヘビが、オスを必要とせずにメスのみで子どもを産むことができることが確認されましたと、アメリカのケンタッキー州にあるルイビル動物園が発表しました。

この動物園で飼育されている、セルマと名付けられたメスのアメニシキヘビが、2012年6月に6匹の子どもを産みました。このとき、セルマは他のメスのヘビと同居していて、オスとの接触はありませんでした。

当初は、セルマの体内に精子が蓄えられているのではと考えられましたが、7月に変温動物の飼育を担当するMcMahan BIll氏によると、産まれた6匹の子どものDNAを鑑定した結果、セルマが唯一の親であることが明らかになりました。

オスがいなくても子どもを産むことができる動物は、アメニシキヘビだけではなくコモドオオトカゲやオガサワラヤモリなど、他の爬虫類でも確認されています。
また、爬虫類だけではなく、ギンブナやシュモクザメなどの魚類、七面鳥などの鳥類でも確認されています。
こうした、オスとメスの性別があるにも関わらず、メスのみで子どもを産むことは単為生殖と呼ばれ、子どもを残すために適したオスがいない場合に、血筋を絶やさない方法の一つで珍しい現象でした。

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ミジンコ(産雌単為生殖の例)

単為生殖(たんいせいしょく)は一般的には有性生殖する生物でメスが単独で子どもを産むことを指す、産まれる子の性別が、オスのみであれば産雄単為生殖となり、反対にメスのみであれば産雌単為生殖といい、いずれも産まれれば、両性単為生殖と区別される。

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Daphnia pulex

どうして単為生殖ができるの

通常、精子と卵子の形成による細胞分裂の過程で、一個体に必要な分の染色体を半分ずつにするために、減数分裂がおこなわれます。減数分裂の際に、極体と呼ばれる細胞を排出して、精子と卵子、お互いの染色体を受け取るために、不要な染色体を排除しているのです。これは、染色体および遺伝子がすべて母親由来のものになると、胎内で子どもが成長しなくなるからです。しかし、爬虫類はこの極体を排除するための減数分裂を行わないため、極体が精子の役割をすることがあります。この場合の個体はクローンとなりますが、減数分裂を行った細胞核が再び融合した場合は親と同じ個体にはなりません。

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極体とは

極体(きょくたい。英:Polar body)は、卵子の中で発見された細胞の構造体である。動物と植物とも卵子で極体を有しており、極細胞としても知られている。非対称の細胞分裂が卵形成時に、極体ができることがある。卵細胞の減数分裂が、通常の細胞分裂や精子形成過程の減数分裂と異なる点は、分裂後の2個の細胞が同じ大きさでないことである。核が2個に分裂しても、それを囲む細胞質は2つに分かれず、どちらか一方の核が、卵細胞の細胞質からはじき出されるように排除される。そのはじき出された核が極体である。減数分裂の第1分裂、第2分裂それぞれで極体が放出されるので、それぞれを第1極体、第2極体と呼ぶ。このシステムは、最終的に1個だけが必要な卵細胞の形成過程で、細胞質の量を減らさないのに役立っていると考えられている。残された極体はやがて退化・消滅することになる。 – Wikipedia

なぜセルマは単為生殖をおこなったのか

オスから隔離された状態が関係しているのでは、といった仮説がありますが、単為生殖が起こる原因は今でも分かっていません。セルマの場合は、生活環境が処女降誕に理想的な環境であったために引き起こされたのかもしれない、とルイビル動物園の館長McMahan氏が述べました。

セルマの子どもたちは半クローン

セルマの複雑な網状のパターンを保有していて、6匹のうち3匹の子どもたちが似た模様を持ち、他の3匹は黒い縞がある黄色の虎模様です。単為生殖は、一部の生物や特殊な環境の下でしかおこなわれない、特殊な生殖方法だと考えられてきましたが、今回の発見によって、単為生殖に関する謎が一歩、鮮明となるかたちとなりました。

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セレマの子ども

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Kyle Shepherd / Louisville Zoo

REFERENCE:

LOUISVILLE ZOO

LOUISVILLE ZOO

LOUISVILLE ZOO MEDIA RELEASE Giant Louisville Zoo Snake Gives Virgin Birth
in First Documented Case in this Species
http://www.louisvillezoo.org/press/MR/2014/MR_2014-10-23_snake.htm