ウォルト・ディズニーの研究開発部門であるThe Disney Research Hubがスイスのチューリッヒ工科大学と提携し、新たな技術と芸術を結ぶロボットを開発しました。ロボットと言ってもステレオタイプな人型ロボットではなく、亀を模したフォルムを持った『BeachBot』は丸っこいチャーミングな奴です。それこそディズニーのアニメーションに登場してもおかしくありません。

Beachbotの機能

簡潔に書くと、砂の上に指示通りのラインを引く。ただ、それだけです。その仕組みは至って原始的で、マシン後部にある熊手のような突起物がそのまま筆となって砂にラインを引きます。太さはこの突起物の数によって調節可能だそうです。BeachBotのコントロールには二つの方法があり、一つは単純なマニュアル操作。入力に合わせて砂の上にラインを引きますが、マニュアルとなると当然絵のクオリティは操作する人間に依存します。ここまでは普通のラジコンと大して変わりません。

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踏みたい背中

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目玉となるのはもう一つのプロセスである自動操縦機能です。この場合には、キャンバスとなる範囲を指定するためのポールを数本立て、描きたい線画を登録します。

BeachBotはレーザースキャナとIMU(慣性計測装置)を搭載しており、各ポールにレーザーを照射して現在位置を取得しながら、IMUで移動量を制御することで線画を正しく描画できます。

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慣性計測装置

運動を司る3軸の角度(または角速度)と加速度を検出する装置。基本的には、3軸のジャイロと3方向の加速度計によって、3次元の角速度と加速度が求められる。信頼性向上のために圧力計、流量計、GPSなど別種類のセンサが搭載されることがある。通常は、搭載する移動体の重心に置く。- Wikipedia

またBeachBotの特徴であるバルーンタイヤも、キュートな見た目だけではなく重要な機能を持っています。マニュアル操縦では特に頻発するであろう、既に描いてあるラインの上を通過する場合、これならそのラインを消すことなく移動できます。この柔軟すぎるタイヤだからこそ、砂利やゴミが混じっているでこぼこの砂上でも滑らかに移動できるというわけです。

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バルーン・タイヤなら悪い足場でも正確に描画でき、足跡もあまり目立たない。

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BeachBotの中身

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BeachBotの今後は

まだ課題もあります。現時点では10m四方の描画が限界で、より大きな図になると全自動とはいかず手動で軌道を修正する必要があります。ディズニーリサーチチューリッヒのポール・ビアズリー氏は、将来的にはBeachBotでナスカの地上絵を描くのが夢だとか。

工事現場などに着々と導入されているロボットのバリエーションと受け止められるかも知れませんが、それらの持つ武骨かつ冷たいイメージを持っていないのもBeachBot、いや、『彼』の特徴です。メディアには「もう少し待たなくてはならない」と強調した上で、彼らによるビーチ上でのインスタレーションが当たり前になる日もそう遠くないという声も上がっています。

開発チームは「ビーチボットは命のない機械ではない。これは魂を持った親しみやすいヤツなんだ」と話しています。真に驚くべきは、こうした技術すらも『親しみやすい仲間』として取り込んでいくディズニーなのかもしれません。

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