子供が欲しくても得られない夫婦がいる反面、現代では育児放棄をする人々の話もよく聞きます。先週末、遠くオーストラリアの地でも同様の悲劇が起こり、人々の関心を集めました。

Abandoned baby survived in Sydney drain for five days

排水口から赤ん坊?

オーストラリアのシドニーで、排水口から生後間もない男の子の赤ん坊が発見されました。先週の日曜日にサイクリングをしていた親子が偶然にも泣き声を聞きつけ、発見したのです。

警察によると、誰かの手によって、赤ん坊は排水口の隙間から地上2.5メートル下に突き落とされていました。発見当時は血糖値の低下と寒さの為に危険な状況でしたが、現在はシドニーにあるWestmead Children’s Hospitalにおいて処置を受け、安静との事です。検証によると、赤ん坊は先週の月曜日に生まれ、火曜日に遺棄されました。日曜日に発見されたので、なんと合計6日の間、排水口の下で栄養を摂取しないまま生き続けたのです。しかも、シドニーは近年稀にみる高い気温でした。

遺棄事件を取り上げたニュース

子供が見つかった排水口

この通りはサイクリングをする人々が多い。とは言っても、よく泣き声が届いたものだ。

子供の泣き声を聞きつけた親子

父、デイビッド曰く「初めは子猫の泣き声だと思った」との事。

取り除かれる排水口のフタ

3人の警察、6人の男性の手で、約200キロあるフタが取り除かれた。

赤ん坊が運ばれた病院

立派そうな病院に運ばれて良かった。

警察は赤ん坊の臍の緒が医療処置されていた事や、身につけていたブランケットが地元の産婦人科のものだった事を頼りに、赤ん坊の母親を特定しました。しかし、母親であるSaifale Naiさん(30歳)は法廷に姿を現しませんでした。拘留された彼女は金曜日にもう一度裁判を受ける事になっていて、殺人未遂により最大で懲役25年の判決が下されるかもしれません。

生き延びた赤ん坊

劣悪な環境において6日間も生き延びた赤ん坊の奇跡には驚きを隠せません。シドニーの医療関係者によればまず、気温の高さと、排水口内の気温の低さがちょうど赤ん坊にとって良い塩梅になったとの事です。

また、健康に生まれた赤ん坊は肝臓にグルコースを十分蓄えていて、何も栄養がなくても24時間から48時間は生きていけるとの事。しかし、オーストラリア医学機関のアンドリュー医師は上記の事を踏まえたとしても、6日間赤ん坊が生きたという事は驚きであり、またこのような経験を積んだ赤ん坊は重い脳障害を抱える可能性があると危惧しています。

救出された赤ん坊

見た目には目立った外傷は無さそうだが、発見当時は脱水症状に加え栄養失調でもあった。

生まれたばかりの赤ん坊を遺棄した母親は非難されるべきものでしょうが、育児放棄や虐待は決して人非人が行うような珍しい事ではありません。それらが起こる理由は様々ではありますが、核家族化が進んでいるオーストラリアや日本といった先進国では、母親に育児ストレスが集中しがちです。断末魔のような泣き声と周囲の配慮に板挟みになればまともな精神と愛情を保つのは困難でしょう。母親を吊るしあげて咎めることは容易ですが、無理なく育児ができる社会についても考える必要があるようです。もっとも、この母親は次の日に遺棄してしまいましたが。