ロボット技術の向上は驚くようなスピードで発展しており、これまで人間が行っていた仕事がロボットに取って代わられ職を奪われる光景は一部で起こり、その範囲は広がりを見せています。

進歩していくロボット

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働くロボットの代表例。

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CGP Grey

人間に代わって働くロボットとしてスーパーのセルフレジや自動車工場のアームロボットなどがあります。これらはプログラムされている動作が限定されており、いわゆる『知能』は獲得できていません。

人工知能は日々進化を遂げており、IBMの開発したコンピュータ『ワトソン』はそれまで苦手とされていた文脈を正しく理解し回答することを実現できています。2011年2月にはアメリカのクイズ番組に登場して過去の優勝者を制して見事勝利しており、現在は医学データを学習して医療用ロボットして用いられる研究が行われています。日本でも2021年までに東大の入試試験に合格できるロボットの開発が進められています。

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ワトソン

より複雑な言葉を理解できるようにと様々なスラングも教えた結果、言葉の善悪を理解することができないため徐々に口が悪くなり、質問者に対して悪態をつくまでになったためいったんデータを消去された。悪い言葉を覚えると使いたくなるのはある意味人間らしい気もする。

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Chase Rocker

このまま発達が進んでいけば、人間とのコミュニケーションが自然に行えるようになるだけではなく、彼らが『自己』を認識し分析する未来も夢物語ではないでしょう。

すべての仕事がロボットに奪われるのか

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農業労働人口の推移

農業機械の導入によりその人口は手作業の頃よりも大きく減少した。

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かつて農業は人間が手作業で行っていましたが、農業機械が導入されることによって多くの人がその職を失いました。『匠の技』と呼ばれる技術をロボットが担う研究もされているいま、アームロボットやセルフレジの登場で雇用が減ったように、人間の仕事をロボットが代わって行う範囲はいまも広がっています。

たとえばGoogleが開発している自動走行車が普及すればタクシー業界やトラック運送業界で働く人々はいずれ解雇されるでしょう。先に挙げたワトソンだと今年2015年に三井住友銀行で電話対応への導入を予定されているだけでなく、医療現場での新薬開発や患者の対応も期待されています。富士通のスパコン『京』は人間の脳全体の本格的なシミュレーションが行われており、また地球規模の環境変動の解明・予測する地球シミュレータまでも存在しています。

この範囲が広がっていけばすべての仕事をロボットが行う時代が来るのかもしれません。WIREDの記事ではそんな時代のために詩や絵画を学ぶ必要があると記しています。人間が行う必要のない仕事はロボットに任せ、人間は芸術などの分野を担うとされていますが、それもはたして人間だけのものでしょうか。

ロボットのアーティストが生まれる?

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ロボットミュージシャンのコンサート

観客は人間?ロボット?

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絵画や音楽などの芸術には感性が必要とされ、それはロボットに獲得できないとされているのかもしれません。しかし音楽を例にすると、数多くのパターンを作り出し、それに良し悪しをつけていくことで徐々に人々が好む傾向が学習でき、揺らぎをも含めた精度が増していけば、人々を感動させる作品をロボット自身の力で生み出す『感性』を培うことはできるのではないでしょうか。そうなれば、芸術の分野にもロボットが登場することになりそうだと考えられます。もっとも、平均律を基にして作られるポピュラー音楽は数学的でそもそもロボット向きだといえますが。

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今週のヒットチャートいいわあ。

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メディアサイトKarnaval.comのFacebookページで公開している動画で紹介されているロボットたちはそんな未来はまだ遠いもののようなユーモラスな姿を見せています。けれど、それを笑っている間にも彼らは進歩を続けています。

イギリスの理論物理学者スティーブン・ホーキング博士は進歩し続ける人工知能がもたらす未来に警鐘を鳴らしているひとりです。完全な人工知能が完成すれば、彼らが自分の意志を持って自分自身を設計しなおしていく可能性もあり、そうなれば人間のスピードでは追いつくことができず、彼らに取って代わられる時代が来るのではとしています。いわゆる技術的特異点です。一方で博士の話は大げさであり、それほど高度な人工知能が完成するのはまだ遠い未来の話だという説もあります。

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スティーヴン・ホーキング博士

筋萎縮性側索硬化症を患っている博士自身、指や頬で操作することができるPCや、合成音声を用いて人々とコミュニケーションを取っている。そんな彼だからこそ人工知能の脅威を身を持って感じ取っているのかもしれない。

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Wikipedia

いま私達は人間とロボットの時代の境目に立っているのかもしれません。人間にしかできないと思っていたことさえもロボットに奪われたとき、人間はなにをしているのでしょう。