
潜水艦からUFOまで、何でも自作してしまう中国人の野心がすごい
2014/12/420:00中国中部の湖北省丹江口市で農業を営むTan Yongさん(44)は周辺の住民から『農家のダヴィンチ』と呼ばれています。というのも、彼は約60万円の自腹を切って、ある物を自作したからです。
The ‘Peasant Da Vincis’ Of China Have Come Up With Some Brilliant Inventions

なんと潜水艦!
ちなみに、この潜水艦には脱出用装置がついていない。命がけの発明品だ。
中国では近年、実用性を気にせずに飛行機やヘリコプター、はたまた戦車という物騒なものまで作るアマチュア発明家が増えてきているそうです。そんな中国人発明家の一人であるTanさんの潜水艦は総製作期間9ヶ月を要し、出来上がったものは2トンもします。農業の方は大丈夫か?と心配してしまいますが、この潜水艦は本格的で、もちろん潜水可能、45分間も使用でき、8メートルまで潜る事が出来るそうです。

『喜羊羊』
自作潜水艦の名前は中国のアニメキャラクターの名にちなんで、『喜洋洋』と名付けられた。『氵』(さんずい)2つで羊が潜水艦になるとは、さすが発明家。

家族の心配をよそに潜りに出かけるTanさん
Tanさんの母は潜って行く息子を見つめながら、ため息をつきます。「息子は昔からおもちゃやボート、モデルガン等を自分で作っていたんです。でも、正直、こんな事は辞めて欲しい。危険だから心配なんです」呆れているのは母だけではありません。「うちは貧乏な上に、お父さんが発明にお金をつぎ込むからもっと貧乏になるんだよ!」と息子は不満を漏らします。
実は潜水艦世界一は中国
1989年に日本は『しんかい6500』という深海調査船を開発しています。その名の通り、6500メートルもの深海に潜る事が出来、世界2番目の記録を持ちます。1番は中国が開発した『蛟竜号』で、7000メートル潜る事が出来ます。さすがはTanさんの国。

しんかい6500
台数は世界でたった7隻だが、2014年までに1400回の潜航を成功させた。深度については中国には負けてしまったが。
中国での様々な自作品
中国全土にはTanさんのように様々なものを自作する人々がいます。たとえば、中国河北省では、道路補修会社のスタッフが作った路上清掃車を見ることが出来ます。

自作路上清掃車
荷台に取り付けられた16本の竹箒が、エンジンを踏むと回転を始める。本当に掃除が出来ているのか怪しいところだが、実際の清掃車よりも省エネかもしれない。
中国江蘇省に住む28歳のワンさんはなんと、1億2500万円もするランボルギーニを74万円で作ってしまいました。農家の息子として生まれた彼は、家業を継がず、車の整備工になりました。というのも、若い頃からスポーツカーに夢中だったからです。そして、日産やフォルクスワーゲンの部品と農具のエンジンなどを組み立て、試行錯誤を重ねに重ね、ついに高級車らしきものを作りだしたのです。

街を快走する自作ランボルギーニに、人々も目が釘付け。
中国人の自作に対する野心は飽くことを知らず、ついにこの世での存在が未確認なものまで自作し始めた方がいます。彼こそ本当の農家のダヴィンチと呼ばれるべきかもしれません。湖北省武漢市で農業を営むシュー・マン・ションさんはなんとUFOを自作したのです。8つのプロペラからなる円形の物体は、2メートル空中に飛べるかもしれないという事……。

クアッドコプターをただ大きくしたようなこのUFOによって、ションさんは大金を稼ごうとしている。というのも、彼の本当の夢は恵まれない子供の為に学校を設立する事だからだ。泣かせるじゃないか。
Tanさんの自作に対する飽くなき挑戦は今日も続いています。家族の心配はどこ吹く風で「鉄板を厚くすれば、35〜50メートルは潜れるはずなんだ。お金が要るけどね!」と微笑みながら潜って行きました。潜水もほどほどにして、借金だけには溺れないようにして欲しいものです。