23日、ペルーの海岸に異様な光景が広がりました。その日、ペルーのアンカシュ地区にあるアンコンチッロ・ビーチに500頭ものアシカの死骸が発見されたというのです。中には子どもも含まれていたのだといいますが、いったいアシカたちの身になにが起こったのでしょうか。

Peru is investigating the deaths of some 500 sea lions found on a beach on its northern coastline.

海岸に上がったおびただしい死骸たち

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首都から北へ400キロ離れた海岸で500頭のアシカたちは発見されました。子どもを含めたその死骸は腐敗も始まっており、さながら地獄絵図のような光景だったでしょう。腐敗した死骸を長く放置しておけば人体にも有害な細菌なども繁殖され公共衛生的にも害があるとして、政府は急ぎこれらの死骸を撤去処分したそうです。といっても、500頭の死骸の撤去などすぐにできるものではなかったでしょうし、撤去を担当した職員が感染症にかからないようにする配慮も必要だったでしょう。アシカとはいえ大量の死骸を目にし、死臭が漂う中、その山を掻き分け、動かし、処分をした職員たちの脳裏にはしばらくの間この光景が離れないかもしれません。

大量死の謎

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彼らの身にいったいなにが起こったのだろう。

地元の知事はこの大量死の原因は毒殺ではないかとし、調査を行うことを命じました。この海岸ではホタテの養殖が行われており、アシカがホタテや魚を食べるために近づいてくることに怒りを覚えた繁殖業者が彼らを一気に排除しようとしたのではないかというのです。一方、死因は病気やプラスチックなどのゴミを誤飲したためなど他の原因も考えられるという意見もあります。しかし、誤飲でこのような異常な数のアシカが一度に死ぬとは考えにくいことです。真相は調査中ですが、もし毒殺だったとするのならば犯人は血も涙もない人間だということになりますし、病気であるのならば近郊の海辺で大量の海洋生物が死に至る病が流行しているという異常事態が起こっていることになり、今回の大量死では終わらない可能性も出てきます。どちらの意見が正しかったとしても不穏な事態となるでしょう。

今月初めにも、やはり北部の海岸でアシカを含めイルカやウミガメの死骸が合わせて200頭近く打ち上げられたという事件もあり、そちらの原因もまだ判明していないそうです。今月になって2度も起こったこの大量死ははたして環境破壊が招いた悲劇的な事故なのでしょうか、それとも悪意から生まれた犯行なのでしょうか。

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発見されたのはアシアが184頭、イルカ4頭、ペンギンやウミガメは数十に及んだ。

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北と南で分かれたアシカたちの運命

ペルーのバジェスタス島は、『リトル・ガラパゴス』と呼ばれています。ペルーの観光名所としても有名で、そこへ向かう船が毎日運行して観光客が訪れています。島は野生のアシカやペンギン、大量の鳥の群れを見ることができるそうです。残念ながら上陸することはできませんが、一面を覆い尽くすほどのアシカたちの姿は観光客にも人気です。バジェスタス島は首都から南へ移動した港から移動できます。南部ではのびのびと暮らしているアシカたちの天国を観光客が楽しんでいる頃、北部では大量の死骸が広がる地獄が人々の目に晒されていたという構図は薄ら寒くも思えます。

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片や天国、片や地獄。北と南でアシカたちの命運が分かれていた。

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アシカものびのび過ごしたい。

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2012年にもペルーでイルカの大量死が発生していましたが、こちらも当初海洋汚染が原因ではないかと非難された後に自然死であると結論づけられたそうです。今回のアシカたちの大量死の原因はまだ判明していませんが、同じような光景が繰り返されないことを願います。

REFERENCE:

BBC

BBC

Peru investigates deaths of 500 sea lions on north coast
http://www.bbc.com/news/world-latin-america-30172690