ジョージア工科大学が演奏者の肩に取り付けて『第三の腕』としてドラム演奏を補助する義肢を開発した。

Georgia Institute of Technology researchers have built a wearable robotic limb that allows drummers to play with three arms.

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©Georgia Tech

音楽に合わせて演奏

近年の義肢作成の技術は目ざましく、ほんの十年前までは信じられないようなことだが装着者の意志に従って動かすことのできる義肢が当たり前のように生まれている。

しかし、この長さ60センチほどの『第三の腕』(名前は付いていないようなので本記事では以降もこのように呼ばせていただく)は、そういった義肢とはやや趣を異にする。『第三の腕』はあたかも腕自身が意志を持っているかのようにドラマーに合わせて演奏をしてくれる。

どういうことか。『第三の腕』にはマイクとカメラが付属されており、それによってドラムの音を見聞きし、演奏に合わせてテンポを変え、叩く楽器を変更してくれるのだ。演奏者がハイハットを叩いている時はライドシンバルを叩き、ドラマーがスネアを叩いていたらタムを叩く、というような具合だ。

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©Georgia Tech

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スネアだけを叩いている時は『第三の腕』はタムを叩いているが、

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ハットを叩き始めると『第三の腕』はライドを叩き始める。

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動画(本記事末尾に掲載)を見ると一瞬『第三の腕』は演奏の振動によって叩いているように見えるだけのように見えるが、もうしばらく見続けると『第三の腕』の先端部がテンポに合わせて弾かれたように動き、演奏者に合わせてドラムを叩いていることがわかる。

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©Georgia Tech

人間の限界を超える

『第三の腕』の着想は開発チームがアトランタ在住のドラマーの義肢を作った時に得たと話している。この時に作った義肢は二つスティックが付いており、そのうちの片方は『第三の腕』同様、腕がドラマーに合わせて動くものだった。

開発者であるギル・ウェインバーグ氏は「このプロジェクトによって人間の限界を押し広げたい」と話している。

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ギル・ウェインバーグ氏

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©Georgia Tech

それはすごいことだと思うが、しかし一体そんなことをして何になるのだろうか。ウェインバーグ氏は外科手術の際に医者に『第三の腕』を取り付けて手術の補助に使うなどの未来像を描いている。音楽は細かい動きと正確なリズムを要求されるのでステップアップとして最適であると話しているが、そのステップアップはもう少し踏みとどまってほしい

脳波を読み取る『第三の腕』も?

現在、開発チームは演奏者の脳波パターンを読み取り動く『第三の腕』を開発中で、その実験も既におこなわれているという。これが可能となればドラマーがテンポ、あるいは叩く楽器を変えることを考えるだけでそれに合わせて『第三の腕』が演奏してくれるようになる。もし、この新しい『第三の腕』の開発が進めば自分の意のままに動かせる正真正銘の『第三の腕』が生まれるかもしれない。

これまで開発されている義肢は無くなった腕の神経と義肢を繋げる『なくなった部分を穴埋めする』だけのものでしかなかった。また、脳で機械を動かす『ブレインマシンインターフェース』も未だ義肢のような複雑な動きをするものを作るには至っていない。もし『第三の腕』が完成したらウェインバーグ氏の言うとおり本当に人間の限界を押し広げることとなるだろう。そちらのステップアップはかなり期待をしておきたい。

Robot allows musicians to become three-armed drummers

REFERENCE:

Wearable robot transforms musicians into three-armed drummers (w/ Video)

Wearable robot transforms musicians into three-armed drummers (w/ Video)

http://phys.org/news/2016-02-wearable-robot-musicians-three-armed-drummers.html