南極大陸は文字どおり人里離れた南の最果ての陸地。この人里離れた場所をつなぐルートをつくるのは容易なことではありません。

現在様々な国が調査目的で基地に駐在していますが、この度中国が駐在と調査のため南極に飛行場を建設すると報じられました。

【10月29日 AFP】中国紙の北京晩報(Beijing Evening News)は27日、中国が南極に飛行場を建設する計画と報じた。中国は世界で最も辺境の南極大陸への進出を継続的に推進している。

南極での生活は困難を極める。外からの物資の調達が不可欠。

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南極と基地

約30カ国が研究施設を持っている。

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なぜ飛行場を建設するのか

北京晩報によると飛行場建設の理由は次のように明かされています。

「中国は南極研究施設を4つ建設したが、自前の固定翼機用の空港を持っていない」と同紙は述べ、研究者らが「海洋輸送に依存している」ことが「科学調査能力に重大な影響を及ぼしている」と伝えた。飛行場はオーストラリア南西に位置する南極沿岸沿いのラーズマンヒルズ(Larsemann Hills)にある中山基地(Zhongshan Station)そばに建設予定という。

中国は1985年に1つめの基地「長城基地」を開設。その後も基地は随時追加され、これまでに4基開設し現在は5基目の建設中です。開設基地が増え、より効率的な物資輸送の必要性が生じたことが今回の飛行場建設につながったようです。また、これまで外とのつながりは海路しかなく、海の凍結や悪天候によりライフラインが遮断されてしまうことも、飛行機での航行が選択された理由の1つです。

南極調査の成果

南極調査で何が行われているのか一般に見る機会はありませんが、有用な成果は確実に残しています。南極は人間や動物が生活するに適さない地域なので、その分人間の往来が少なく古い地球の痕跡が残されています。例えば氷に閉じ込められた大気成分の分析をすることで、過去の大気状態がどうなっていたのかデータをとることができます。

また南極地の調査だけでなく上空の調査なども行われています。大きなわかりやすい成果として、南極調査の日本の功績によってオゾンホールの発見がなされました。

南極における中国の中山駅

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中国の砕氷船「雪龍号」

飛行場の持たない中国ではこれまで海洋輸送に依存し、砕氷船「雪龍号」が活躍していました。砕氷船は水面の氷を割りながら進む船で、南極の海域での航行には欠かせません。

通常の運搬船に比べ、エンジンを始めとした構造上の強化や、砕氷設備の追加がなされています。砕氷船は主に軍用または探査用として設定されています。

砕氷船による航行

上図はドイツの極地調査用の砕氷船。

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広がる中国の基地開発

飛行場建設の計画発表にも現れていますが、このところ中国は南極調査に意欲的です。これまで1985年長城基地、1989年中山基地、2009年崑崙基地、2014年泰山基地と開設しています。そして現在5基目を開設予定しているというのだから、ここ数年になって基地建設が加速していることがわかります。

中国は南極だけでなく他の地でも基地を建設しているとみられています。フィリピンと領有権を争っている南シナ海のジョンソン南礁で、最近中国が土砂で埋め立て滑走路を建設していると報道されています。同地では埋め立てによる海洋汚染が懸念されています。

他には、2020年以降月面に基地建設を計画しているという国際宇宙会議(IAC)での発表がありました。南極のみならずかなり多方面に開発の手を広げているように見えます。