せっかくの連休を利用して恋人と温泉旅行に行ったのに、旅館がネット上に掲載されているレビューとは明らかに違い、部屋も汚く、料理もまずければ、接客も悪かった。そんな経験をしたらがっかりするのは当然でしょう。面と向かって宿泊先に文句が言えたら良いけれど、なかなか出来ないのが人情というもの。これはジェントルマンの国、イギリスでも同じ事のようです。

ジェンキンソン夫妻に罰金

トニー・ジェンキンソンさん(63)とその妻ジャンさんは大手旅行情報サイト『トリップアドバイザー』のレビューに、夫妻が宿泊したブロードウェイ・ホテルについて「汚くて腐った匂いがするボロ屋だ」と書きこみました。これに対して、ホテル側は『宿泊人は当ホテルの悪評を書かない』という利用規約に基づき、夫妻に100ポンド(約1万8000円)を請求しました。

ブロードウェイ・ホテル

一泊36ポンド、日本円にして6700円。この事件により評判が下がる事が予想される。

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BBC NEWS England

後日テレビ局に取材された夫妻は、宿泊当日の事を振り返りながらホテルを批判しました。まず、オックスフォードから車で3時間半ほどかけてはるばるホテルに辿り着いた夫妻は、事前には十分にあると聞いていた駐車場が満車で、車を停める事が出来ませんでした。また、部屋に入るとその匂いもさる事ながら、カーペットは汚れ、壁は剥がれ、ベッドも磨り減った古いものでした。しかも、驚くべき事には、このホテルのバスルームではお湯が出なく、その事についてフロントに問い合わせたところ、夫妻が翌日チェックアウトするにもかかわらず、「知っています。明日、直します」との事……。

テレビの取材を受ける夫妻

妻ジェンさんはホテルの利用規約にサインしたのは覚えているが、その時はメガネをかけていなかった為に、あまり読めなかったと言っている。

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BBC NEWS ENGLAND

ホテル側も人間なので、利用規約に則り罰金を請求した事は理解できますが、本当に上記のように扱われたとしたら宿泊客が怒るのも当然です。
イギリスのWebニュースサイト『The Independent』のサイモン・カルダー記者は「ホテル側の対応はありえない。もしこれが許されるとしたら、人々がWeb上でレビューを書くという当然の権利も否定している」と激しく批判しました。
最終的に、理不尽な取り扱いが広まって騒ぎを呼ぶと、ホテル側は「受け取った罰金はホテルの修繕に使用する」という当初の発言を撤回し、夫妻に返金する事で決着しました。

日本でも同様な事件があった

今年9月、日本最大級の宿・ホテル検索サイト『じゃらん』で、草津温泉にある某旅館への中傷書き込みがありました。その書き込みに対して旅館は旅館らしからぬ返答をし、人々の話題を呼んだのです。

草津温泉

世知辛い世の中、たまには問題なく温泉に浸かってゆっくりしたいものだ。

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TourDumonde.fr

あるカップルが、某旅館の5万円する和室部屋に泊まりましたが、そのサービスの悪さに憤慨し「この旅館だったら3000円のビジネスホテルの方がマシ。もう草津温泉には行かないだろう」などと後日レビューに書き込みました。
旅館側はレビューに対して、カップルは帰り際に「警察を呼び、裁判を起こす」またはなぜか「韓国領事館に連絡する」などと言い、3時間近くにも渡り他のお客さんの迷惑も考えずに騒いでいたと書き込みました。
このやりとりはTwitterなどでネット上に広まりましたが、旅館側は示談で収まったと後日、伝えています。

イギリスと日本の事件、どちらの現場にも実際には立ち会っていないので、宿泊先だけを悪者とするのは如何なものかと思います。もちろん、ネット上のレビューは大変参考になりますが、レビュー上に中傷を書く前に宿泊者達が何か出来たのかもしれません。宿泊先、宿泊者、お互いにジェントルなお付き合いをしたいものです。

REFERENCE:

BBC NEWS England

BBC NEWS England

Trip Advisor bad review ‘fine’ to be refunded by Blackpool hotel
http://www.bbc.com/news/uk-england-30111525