日本IBMがLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーといった性的指向少数派の総称)の社員が安心して働き、能力を最大限に発揮できる環境を整えることの一環として、社員が配偶者と同じと考える同性パートナーを会社に登録する『IBMパートナー登録制度』を新設し、2016年1月から施行することを発表した。

日本IBMは、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーといった性的指向少数派の総称)の社員が安心して働き、能力を最大限に発揮できる環境を整えることの一環として、社員が配偶者と同じと考える同性パートナーを会社に登録する「IBMパートナー登録制度」を新設し、2016年1月から施行します。

『同性婚』にも特別有給制度を

近年同性婚を認める国は増え続けており、2015年6月にもアメリカで同性婚は合憲であるとの判決が下され全州での同性婚が認められることとなったが、日本では同性婚は未だ法的に認められていない。日本IBMの新制度は同性婚を『会社が』認める制度だといえる。

『IBMパートナー登録制度』の対象は日本IBMの正社員とその同性パートナーで、制度導入者は登録したパートナーとの特別有給休暇や育児および介護休職を取得することが可能となり、慶弔見舞や転勤となった際の赴任旅費なども支給される。

社員の多様性を重視する日本IBM

実はこの制度を導入する以前の2012年から日本IBMは同性間の事実婚への結婚祝金の支給を行っていた。この他にも日本IBMには週の勤務日数や一日の労働時間を選択できる制度があり、多様な人が働きやすい環境が用意されている。

日本IBMは『思想や文化、人種、性別や出身地など様々な違いを持つ人材の多様性はイノベーションの源泉であり、多様性は重要な経営戦略の一つである』と考えている。それゆえ、多様な人材が平等に満足して働ける制度を積極的に取り入れているのだ。

もう2015年なのだから

こうした日本IBMの姿勢は非常に先進的で国際的だといえるが『経営戦略の一つ』という言葉は少し気にかかる。

カナダの新首相ジャスティン・トルドー首相は新閣僚の構成員を男女同数にし年齢もベテランから若手まで多用な人材を揃え、その理由を記者に問われた際に「なぜなら(もう)2015年だからだ」と答えた。この言葉は利益や戦略といったものとは全く別の場所に平等が存在し、果たされるべきものであることを端的に表している。

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カナダの新首相ジャスティン・トルドー首相

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Radio Television Malacañang (RTVM) (source) [Public domain], via Wikimedia Commons

日本IBMが営利企業である以上、経営戦略を考えることは致し方のないことなのかもしれない。しかし、もし多様性を重視した結果IBMの経営が傾いたとしたら、少数派の権利は再び剥奪されることとなってしまうのだろうか。

そのことを考えると少し不安になるが、逆に日本IBMの業績が向上すれば多くの会社が日本IBMに追随し、多様な人が平等に満足して働ける制度を積極的に取り入れることとなるかもしれない。日本IBMにはより一層の活躍を願いたい。

今回新設したIBMパートナー登録制度は、双方が成人であり、配偶者がなく、およびパートナーが近親者でないことを条件とする。この登録により、以下の特別有給休暇、休職、慶弔見舞を登録されたパートナーを事由とする申請が可能となり、赴任旅費の支給対象を登録されたパートナーに拡大される。

<特別有給休暇>
 結婚、パートナーの出産、パートナーまたはパートナーの子の死亡、パートナーの父母または兄弟姉妹の死亡、正社員が国内赴任で新勤務地に家族(パートナーを含む)帯同で赴任するとき、家族の看護、介護など

<休職(無給)>
 育児、介護

<慶弔見舞>
 慶事:結婚祝金(*)、出産祝金(*結婚祝い金は2012年から支給)
 弔事:社員のパートナー、パートナーの子女、パートナーの父母

<赴任旅費>
 赴任手当、別居手当、一時帰省の補助など

REFERENCE:

IBM 同性パートナー登録制度を新設し人事プログラムを拡大 – Japan

IBM 同性パートナー登録制度を新設し人事プログラムを拡大 – Japan

http://www-06.ibm.com/jp/press/2015/11/3001.html