人工内耳は重度の聴覚障害者に用いられていますが、高額な費用がかかり、外科手術を行う必要があります。コロラド州立大学の研究チームが開発している聴覚補助具のプロトタイプは手術を行う必要がなく、完成すれば人工内耳よりも安価に手に入れることができるとされています。この補助具、装着するのは耳ではなく舌なのです。

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なんでも話して

ちゃんと聞いてるから。

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舌で『聞く』

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聞いてます。

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Colorado State University

マイクと舌に装着するパーツで構成されているこの補助具は、拾った音を分析して言葉ごとに設定されたパターンの電気信号に変換して装着パーツに送ります。すると舌に微かな刺激が走り、その部分によって言葉の意味を脳が理解して『聞く』ことができるという仕組みです。与えられる刺激の強さは炭酸水を飲んだときのような感覚だそうです。

装着パーツには現在40個のポイントが設けられています。使用者は言葉ごとのパターンを覚える必要がありますが、3、4週間ほどで覚えることができるだろうと開発チームでは考えられています。繰り返し刺激とともに音を聞くことによって脳の理解力を強化することができるとされ、完全に音が聞こえない人にも最適であるとされています。

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舌を刺激する40個のポイント

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音版の点字

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アルファベット、数字、記号、特定の単語それぞれに決まった配置パターンを設け、それを覚えて指でなぞった刺激から書かれている言葉を読み解く点字と、今回の補助具の仕組みは似ています。点字の場合は知っている人ならば誰でも読むことができますが、今回の場合は装着者全員が受けた刺激をまったく同じパターンとして理解できるかはまだ不明です。

刺激を聞くことができる?

Cola is pouring into glass

どう聞こえる?

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舌への刺激で音を理解するこの補助具が完成して普及した場合、舌は話す、味わう以外に『聞く』能力が備わることになります。そうなると、気になるのは食事中の『音』補助具から与えられる刺激が炭酸水ほどなら、その刺激が『言葉』としても認識することができるようになるかもしれません。楽しく飲んでいるときにビールから「飲み過ぎ」という言葉が聞こえてくるかもしれませんが、これまでにはない食事の楽しみ方もできそうです。

REFERENCE:

Popular Science

Popular Science

PROTOTYPE RETAINER COULD HELP HEARING-IMPAIRED ‘LISTEN’ WITH THEIR TONGUES
http://www.popsci.com/prototype-retainer-could-help-hearing-impaired-hear-their-tongues