トラ、現る

パリから40キロほど離れた、セーヌ・エ・マルヌ県の人口約8000人からなるモンテブランというのどかな街が一時騒然となりました。スーパーマーケットの駐車場、テニスコートの草むら、あるいは河原周辺でのトラ目撃情報が多数、警察当局へ寄せられたのです。当局は消防団員と協力してヘリコプターまで動員した後、トラの追跡を始めました。

虎狩りに駆り出される警察の方々

あまり緊張感が感じられないのは気のせいだろうか。

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@ParisMatch

モンテブランのクリスチャン市長はトラは絶滅危惧種の為、殺さずにトランキライザー(催眠ガス)を使用して捕獲するよう指示した後、もし危険があれば射殺も已む終えまいとしました。
住民に対してはトラを見かけたら接触しないように警告し、できるだけ外出を控えるようにとローカルニュースで伝えました。各教育機関には警察が配備され、待機する学生や児童を護衛しました。

どこから来たのか

トラの所有者について様々な憶測が飛び交いました。まず週末に街を去ったサーカス集団に問い合わせる事になりましたが、サーカス側からは1匹のトラも逃げ出していないとの事でした。次に動物園にも問い合わせましたが、檻のトラは逃げていませんでした。最終的に2.5マイルほど離れた所にあるディズニーランドが疑われましたが、ディズニーの代表者は敷地内にトラは1匹もいないと一蹴。なるほど。ネズミの国にトラがいたら大変です。結局、トラがどこから来たのかは未だに分かっていません。

本当にトラなの?

追跡中、街外れでトラと思われる足あとが見つかりました。専門家が調査し、トラは人間で言うところの青年であり、体重は100キロ近くほどであると判断しました。成年のトラの体重はこの4倍にもなるので、あまり大きくはありません。数時間後、クリスチャン市長はトラの体重は70キロ近くほどなので、危険ではないだろうと報告しました。最終的に「トラは飼い猫だったのではないか?」という噂まで持ち上がりましたが、依然として捕らえられていない為に真相は分かりません。

Twitter上に投稿されたトラらしき動物

大きな猫のようにも見える。

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@LeParisien_77

日本トラ騒動

似たような事件が日本にもありました。昭和54年8月、千葉県鹿野山神野寺に併設されていた動物園からメスとオスのトラ2頭が逃げ出しました。失踪から6時間後に木更津署に通報が行くと、県警機動員、警視庁、レスキュー隊、計240名が追跡に駆り出されました。結局メスは2日後に射殺され、オスは民家の犬を襲ったりしながらなんと27日間逃げ続けましたが、メス同様に射殺されました。2匹のトラは一緒に自由の地を目指していたのでしょうか。なんだか切ない話です。

神野寺本堂・両本尊

本堂は県指定有形文化財とされている。当時、干支に関する動物12種類を飼育していて、一人あたり200円の入園料で一般に公開していた。動物園の中には12頭のトラも飼われていて、そのうち2頭が逃げ出したのだ。

トラと忌野清志郎

この話には余談があり、『RCサクセション』の忌野清志郎は事件当日、神野寺の近くのマザー牧場でライブコンサートをする予定でしたが、トラ騒動の為に中止しています。この時、忌野清志郎は警察に電話をして、「トラは絶対に殺すなよ!」と言いました。

故・忌野清志郎氏

後日RCサクセションはライブハウス『渋谷屋根裏』で2匹のトラの追悼ライブコンサートを行った。

トラはいずこへ

今のところモンテブランのトラらしき動物は捕まっていなく、警戒は徐々に解かれていますが引き続き捜査は続いています。トラが誰も傷つける事なく、トラも傷つくことなく捕獲されてほしいところです。

REFERENCE:

Millor

Millor

Paris tiger: Recap updates as police hunt big cat on the loose near Disneyland Paris
http://www.mirror.co.uk/news/world-news/paris-tiger-recap-updates-police-4620644