マサチューセッツ工科大学の化学チームが、NFCセンサとスマートフォンを用いて有害なガスや環境汚染物質を検出する方法を考案しました。これによって公共空間の監視や、倉庫内の食品の腐敗をチェックすることが安価で行えるようになるとしています。

These inexpensive sensors could be widely deployed, making it easier to monitor public spaces or detect food spoilage in warehouses. Using this system, the researchers have demonstrated that they can detect gaseous ammonia, hydrogen peroxide, and cyclohexanone, among other gases.

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NFCをセンサに使用

Suicaや『おサイフケータイ』に使用されているNFCが今回のセンサには使用されています。通信エリアが短い反面、BluetoothやWi-Fiよりも簡単に相互連結を行うことができ、対応機器が近付くとアプリを起動させなくても自動的に連結を開始してくれるので、特別な機能でも直感的に使用することができるNFCタグは安く手に入れることができ、待機電力を必要としないためステッカーやラベルなど導入できるものも多岐にわたります。
今回のセンサを開発したジョン・D・マッカーサー教授は「今回のセンサの素晴らしいところは本当に安いということ。配線も電源も必要なく、スマートフォンを持って読み取るだけでいい」と語っています。チームはガス中に含まれたアンモニアや、過酸化水素、シクロヘキサノンの検出をすでに実証しています。

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特定の化学物質にさらされると抵抗値が変化する電気回路で構成されたケミレジスタをもとに、チームはガス探知センサを開発しました。一般のものとは違い、開発されたセンサはエネルギーをほとんど必要とせず、常温での機能が可能なので、多くの環境や機器に設置することができるとしています。

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チームはまず、目的の機能にタグを適合させるために電子回路に穴を開けた。

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それをカーボンナノチューブを芯に用いたペンで線を描き再接続する。

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カーボンナノチューブが検知したガスを無線周波数に変換、それをスマートフォンが読み取り、ガスが存在しているかどうかを確認します。

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爆発物の検査にも用いられるかも。

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各センサが対応できるのは一種類のみですが、受信するスマートフォンは多種類のガスが読み取ることができるとのことです。現在は対象の5センチメートルまで近付く必要がありますが、Bluetooth技術と組み合わせて検索範囲を広げる予定です。チームは、屋内の爆発物やその他有毒ガスの監視、屋外の環境汚染物質を検出するなどに応用できるよう検討しているそうです。

食品管理にも使えるかも?

食物は腐敗すると、アンモニアや硫化水素を発生させます。それらを検知することによって食品の管理にもこのセンサが用いられるのではないかとしています。すでに、リンゴが多く発生させるエチレンガスの検出センサは開発されているそうです。エチレンガスはくだものの成熟を促す効果を持っていますが、熟しきれば後は腐っていくのみなので、一定量を超えたガスを探知してそれを取り除くことが可能になれば、ひとつの腐ったリンゴのために他のくだものも腐ってしまうということを防ぐことができるかもしれません。検出できる物質が増えれば、多くの食品管理に役立てられるでしょう。ただ、食物の場合は『腐敗』とされる場合と『発酵』とされる場合があります。納豆は日本では発酵食ですが、これが受け入れられない人には腐った豆としか思えません。センサが感知したものが腐敗か発酵か、それを判断するのは調べた人にもよりそうです。

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