小学生の頃、理科の時間に使った虫眼鏡。「ぜったいに太陽を見てはいけません」と先生から言われたように、虫眼鏡は物質を燃やすほどの太陽光を集めることが出来るために危険です。しかし、この性質を応用したアーティストの絵が、精巧で美しいと評判になっています。

『太陽光絵画』

19歳でアートに目覚め、フィリピンを拠点とする芸術家ジョーダン氏の絵画。筆やペンキは一切使用せず、代わりに虫眼鏡と太陽の光だけでほぼ全てを表現しています。『太陽光絵画』とでも呼べば良いのでしょうか。

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Earth Porm

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彼の作品は、点描にも似た精巧な絵画で、制作には強靭な忍耐と技術が必要といいます。これは自身のルーツであり首狩り族としても知られる『イゴロット族』の精神に大きく影響を受けているそうです。彼の作品はフィリピンを飛び越え世界中で展示され、様々な芸術賞を受賞するまでに至りました。ほかにもフィリピンのルソン島中部に位置するバギオで『アート村』なるものを作り、地元のアーティストに制作・展示の場を与え、住民にもワークショップを提供して啓蒙活動もしています。

アート村のワークショップ

理科の授業を思い出させる懐かしい一枚は、実は美術の時間。

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太陽光絵画の描き方

まず、ジョーダン氏は自分の心象風景を頼りに、鉛筆で木材のキャンパス上に下書きをします。それから天気の良い日に外へ出て、ひたすら虫眼鏡で太陽光を集め、木材の表面を焦がしながらじっくりゆっくりと描きます。雨の日は休みです。

乾燥した木材の発火点は470度程度といわれるので、筆先は微妙な温度を保ち続ける必要がありそうです。このような神経質な作業を何時間も座りっぱなしで数ヶ月も続け、やっと作品が完成するそうです。

精巧に描かれたフィリピンの棚田

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実はこの作品、よく見ると複数の女性の顔が浮かんできます。記者が数えたところ6つまで発見しました。最も分かりやすいのは中央の棚田で描かれた横たわった女体の輪郭線でしょう。

そこはもしや……。

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やめなさい。

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左下に日付、タイトル、サインを書いて出来上がり。虫眼鏡は100円で買える時代、しかもインクは無料で50億年も保ちます。天気の良い日は外に出て、芸術的感性を磨いてみるのも良いかもしれません。ただし、忍耐に加えて、膨大な時間が必要ですけど……。

おっと……。

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