世界には『犬税』、『ポテトチップス税』、『光るおもちゃ税』など奇妙な税金制度があって、日本の税金同様に国民の不満を買っています。お隣韓国でも『独身税』なるものが話題となり、韓国における各ポータルサイトで検索率が最も高いキーワードになってしまいました。

韓国、『独身税』導入か?

韓国では1970年台に4.53だった合計特殊出生率(女性が生涯に生む子供の数の平均)が2013年には1.187となりました。この値が2を切るという事は人口が減少傾向にある事を意味します。この低い出生率を危惧した韓国保健福祉部(日本の厚生労働省)の高官は、今の財源だけで低出生率の問題を解決する事は難しいとの理由から、『独身税』導入について軽々しく発言してしまいました。この軽率な発言が韓国ネットユーザを中心に物議をかもしているのです。

朴槿恵大統領

『独身税』が施行されるならば、もちろん未婚である彼女にも課せられるべきだという発言がネット上で多く見られる。

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Korea.net / Korean Culture and Information Service (Cheong Wa Dae) – Licensed under Creative Commons Attribution-Share Alike 2.0 via ウィキメディア・コモンズ

同国では2005年にも『独身税』について議論された事があります。その当時も国民の非難を買いました。考えてみれば、税金なんて人間なら誰でも嫌がるもの。しかも、思わしくない前例付きならなおさらです。加えて、たばこ税・法人税などの増税案を現在、韓国政府は検討しているので、それが今回の『独身税』導入に真実味を帯びさせたのです。

後日、この話題の当事者である高官は予想外の国民の騒ぎに「今回の発言は冗談だ」と『独身税』案を撤回したそうですが、10年近く経ったからと言って、冗談も休み休み言えば良いと言うものでもないでしょう。

『独身税』のデメリット

ブルガリアにおいて、1970〜1989年のなんと19年間、独身者の収入の5〜10%が徴収される『独身税』が導入された事があります。そんなに長いこと独身の方々が仕事終わりのビールを我慢しなければいけなかったのでしょうか。しかも、出生率は2.18から1.86に下がってしまい、『独身税』は国民の反対により失敗に終わりました。

ここでいくつかの『独身税』のデメリットを挙げてみます。『独身税』は経済的に困窮している独身者には有効ではありません。結婚したくても、結婚資金が無くなってしまいます。また、『独身税』逃れの偽装結婚を助長する可能性があります。あるいは、仏教、キリスト教の僧侶など結婚できない職業には適用できるか否かという宗教的問題もあります。ここに挙げた問題点だけでも、『独身税』が少子化対策にどのぐらい有効なのか首を傾けずにはいられません。

ブルガリアの女の子たち

『独身税』は子供たちの未来の為に有効なのだろうか?

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“Lazarki from Gabra” by Пакко – Licensed under Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 via ウィキメディア・コモンズ

少子化対策に成功したフランス

フランスは『独身税』の力に頼らずに少子化対策に成功しています。たとえば、所得制限なしで、2子以上を養育する家庭に給付される手当があります。これは子供が20歳になるまで支給されます。また、子供を3人以上養育すると、年金が10%加算されます。あるいは出産費用の無料化、高等教育までの学費無料、充実した保育サービスというものまであります。他にも様々な対策がありますが、フランスの少子化対策への基本的姿勢は子供を産めば産むほど有利になるという事です。とは言っても、それら少子化対策に使われるお金は結局どこから出てくるのかと考えると、政策の難しさを感じずにはいられません。

子供は国の宝

『未来を担う存在である子供は国の宝である』という言葉があるように、子供は大切です。彼らが居なくなれば近い将来働き手が居なくなり、それにつれて税金から収入を得ている政治家にお金が回らなくなり、最終的には国が回らなくなります。疾る気持ちを抑えられず、『独身税』導入と言ってしまった政治家の気持ちも分かりますが、未来の子どもがもうちょっと笑えるように気の利いた冗談を言って欲しいものです。

REFERENCE:

FOCUS-ASIA

FOCUS-ASIA

韓国が“独身税”導入?・・当局者は「ただの冗談」と釈明、韓国ネットに批判の声―中国メディア
http://www.focus-asia.com/socioeconomy/photonews/401380/