もしも別の時空に、この世界に生きる者はだれも知らない『もうひとつの世界』があって、ひょんなことから時空がつながり、ふたつの世界を行き来することができるようになったら……。だれもが一度は考えることかもしれませんが、SFかファンタジーか、それはいずれにしてもフィクションのなかの出来事でしょう。

しかし先日、中国の空に、宙に浮く街、いうなれば『天空の都』が突如として現れました。さっそく、撮影された写真をご覧いただきましょう。

これが『天空の都』だ!

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うーん、ぼんやりしている……。

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奇跡か陰謀か

もしかすると、このビジュアルになにかしら見覚えのある方もいるかもしれません。宮崎駿氏のアニメ映画『天空の城ラピュタ』に登場する、あのラピュタにどこか似てはいないか……。ラピュタが実在して中国上空に現れた、ということはないにしても、巨大都市の出現が『もうひとつの世界』とつながったことを示しているのだとしたら、ロマンを感じずにはいられません。

こちらは天空の城ラピュタ。

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住民によって撮影されたこの写真は、インターネットで拡散されるとたちまち話題となりました。しかし、一部の者はこの『天空の都』に危機感を覚えているようです。彼らは、この都市の出現は『ブルービーム計画』のひとつだと考えていました。

突然の陰謀論

『ブルービーム計画』とは、宇宙人やUFO、怪獣などをホログラムなどで映し出すことによって、地球が侵略されていると人々に思い込ませるための『世紀末ショー』だといいます。なぜそんなことをするのかというと、世界には闇の権力者がいて、人類を統一して『新世界秩序(New World Order)』をつくりだそうとしているとか……。

これまで目撃されてきたUFOの数々、またイエス・キリストの像が空中に現れるという出来事、また9.11や3.11といった事件・災害の数々も、人類に挫折感や絶望感を与えるための『ブルービーム計画』の一環なのだ、と彼らは主張しています。計画を指揮するのは、宇宙人の侵略をシミュレートしているNASAであるとも、いわゆる『支配層』の者たちとも、秘密結社「フリーメーソン」ともいわれています。

イエス・キリスト再臨?

あなたにはどう見えるでしょうか。

すなわち、今回の『天空の都』は、最高機密のホログラム技術の実験であり、大衆の反応を測定するために人口の密集する中国でおこなわれたのだ、というのが彼らの主張です。いずれにしろ、私たちの思いもよらないところで壮大な計画が進行している……のかもしれません。

しかし、この説を主張する者たちのあいだでも計画の指揮者には諸説あるほか、ホログラムの投影と実際の災害をひとくくりの計画として論じられるのかどうか、記者にはちょっとわかりかねます。とはいえ、この『ブルービーム計画』にロマンを感じる者もけして少なくないのでしょう。

最有力、蜃気楼説

もっとも、専門家は、今回の現象を『蜃気楼』のひとつにすぎないと一刀両断しています。

蜃気楼とは

太陽が地表や海面上の大気を温めることで、温度差が生じたときに起きる『目の錯覚』。地表や海面に近い位置に冷たい大気の層が、その上に温かい大気の層があるとき、その境界にあたった光は屈折して進む。しかし脳は『光はまっすぐ進む』と思い込んでいるために、光の屈折による物体の『ズレ』を修正できずに、錯覚が生まれてしまう。

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専門家いわく、今回の『天空の都』の場合、高層ビルから反射した光が屈折して下方に進み、冷たい(密度の低い)大気の層を通るといいます。このことで、遠くにあるビル群が、実際より高い位置にあるように見えたというのです。

『もうひとつの世界』の奇跡でも『ブルービーム計画』の陰謀でもなく、単なる蜃気楼で目の錯覚……。かき立てられるロマンへの好奇心がみるみる萎むような気もしますが、ある意味では一番安心できそうです。とはいえ、この『天空の都』には、いくつか不可解な点が残されていました。

ひとつは、この『天空の都』が、中国の複数の地点から目撃されていたということです。現在のところ、江西省と仏山市というふたつの地域で目撃証言が確認されていますが、その像は数百人以上に目撃されたのち、たった数分で完全に消えてしまったといいます。果たして、そこまでの大人数が同時に見られる『目の錯覚』は可能なのでしょうか……。

右上が江西省、左下が仏山市。

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そしてもうひとつは、この『天空の都』は、2011年にもよく似たものが中国で目撃されているということです。その間、約4年。しばしば見られる自然現象と捉えるのか、なにものかが中国で実験を繰り返していると考えるのか、中国の空には異世界に通じる『入り口』があると信じるのか……。

もっとも、いまだ真実は誰にもわかりません。いささか月並みですが、この『天空の都』、信じるか信じないかはあなた次第です。

2011年に目撃された『天空の都』。今回に比べると鮮明?

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REFERENCE:

Is this evidence of a parallel universe? Sightings of a ‘floating city’ in China are simply an optical illusion, say scientists

Is this evidence of a parallel universe? Sightings of a ‘floating city’ in China are simply an optical illusion, say scientists

http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3276576/Is-evidence-parallel-universe-Sightings-floating-city-China-simply-optical-illusion-say-scientists.html

闇の支配者に握り潰された世界を救う技術

http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/bookstand-Benjamin02.html

人類奴隷化も夢ではない「ブルービーム計画」

http://theurbanlegends.blog.fc2.com/blog-entry-22.html

蜃気楼の解説ページ「もっと!いろいろ蜃気楼」~魚津埋没林博物館

http://www.city.uozu.toyama.jp/nekkolnd/mirageex/