足を失った動物に3Dプリンタで義足を作ってあげる話はこれまでにもありました。2014年1月には片足を失った鴨のために義足を作ったという話もあります。今回義足をプレゼントされたのは、捨てられていた一匹の犬でした。この犬は先天性の奇形で両前足が不自由だったのです。

Born with deformities in both of his front legs, Derby the dog was, until now, only able to get around on soft surfaces. With the help of 3D printed prosthetics, Derby has got a second chance and his life completely changed.

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両前足が生まれついての奇形のため自由に動くことができず、這うように移動はできるものの身体への負担が大きかったこの犬は、安楽死されそうだったところを保護されて可愛がってくれる飼い主にも出会い、ダービーと名付けられました。彼を救ったのは3DSystemsのプロダクト・マネージャー、Tara Anderson氏。Peace And Paws RescueのボランティアもしているAnderson氏は始め、動きやすいようにカートを与えてみることにしました。けれど、車輪が行動に制限をかけて思うように動けず段差ではつかえてしまうため不便がありました。そこで、3Dプリンタを使って義足を作ることを考えたのです。

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始めに与えられたカート。これでは動くことはできるが制限が大きい。

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3DSystemsのデザイナー2名と動物の義肢製作専門家のDerrick Campana氏はスキャンしたデータをもとに義足を作成。肘あて部分にはゴムを用い、足部分には硬質プラスチックを用いました。Campana氏は3Dプリンタで義足を作ることのメリットは、型を取って材料を加工して作成していく従来の義足よりもスピーディに作業が行え、価格も安く済む点だとしています。当初は本来の足に似せた形を予定していたのですが、地面にはまりやすくなることを考えて円形にすることにしました。

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完成した義足はさっそくダービーくんに届けられました。本来の犬の姿を考えると、義足を装着した姿はやや前に重心が傾いているように見えます。生まれてから前重心で行動していた彼にとってはこの姿勢のほうが楽なのかもしれません。通常の義足なら破損した場合の修復や新しく作りなおすには時間とお金がかかりましたが、3Dプリンタ製のこの義足なら慣れに応じて義足を作り変えていくことも容易なので、身体の変化とともに取り替えていくこともできるでしょう。

義足を与えられてからは、毎日飼い主と一緒に2、3マイルを全力疾走できるようになったそうです。「初めてその姿を見たときはびっくりしたし信じられなかったよ」と飼い主は語っています。

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元気に駆け回るダービーくん。

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3Dプリンタの義足や義手は動物だけではなく人にも用いられています。アフリカのスーダンでは内戦によって5万人もの人が腕や足を失っており、彼らに義足や義手を提供するためのプロジェクトが医師のMick Ebeling氏の呼びかけによって行われています。このプロジェクトで作成された3Dプリント義手は通常の義手なら3,000~30,000ドルほどかかるところが100ドルで手に入れることができるといいます。Ebeling氏は自分がいなくなってもこのプロジェクトが続けられるようにと地元のボランティアに技術を教えているそうです。3Dプリンタの普及とともにこのような試みがこれからも続けられていくことでしょう。

REFERENCE:

3ders.org

3ders.org

3D printed custom prosthetic legs allow Derby the Dog to run upright for the first time
http://www.3ders.org/articles/20141216-3d-printed-custom-prosthetic-legs-allow-derby-the-dog-to-run-upright-for-the-first-time.html