マフィアと聞くと『ゴッドファーザー』を思い浮かべてしまいます。マーロン・ブランド、ロバート・デニーロ、アル・パチーノの見事な演技から織りなされる壮大な物語。感動された方も少なくないはずです。しかし、実際のところマフィアに会ったり話したりした人はなかなかいないでしょう。そんな闇のベールに包まれたマフィアの裏側に、イタリア警察のカメラが潜入し世界初公開となるマフィアの誓約儀式を捉えました。

撮影された『毒の誓約』

今回撮影された儀式『毒の誓約』とは団体の掟を破った者は、自分自身で命を絶たなければいけないという誓いです。これを取り交わしマフィア構成員になった人間は、究極のところ2つの選択肢しか残されていません。つまり、毒を飲むか、拳銃で自害するかです。つまり、裏切り者には死あるのみという事です。

隠しカメラによって撮影された『毒の儀式』

儀式はよく晴れた日に行われた。挨拶代わりにキスを交わす彼らを見ていると、マフィアだとは思えないぐらい穏やかに見える。

青酸カリの錠剤についての説明が始まった。裏切り者はこれを飲んで自ら命を絶たなければいけない。

あるいは、拳銃だ。日頃から、弾は必ず一つ持っておかなければならない。もちろん自害する為だ。恐ろしい。

両親の名を聞かれたら、「父は太陽であり、月が母だ」と答えなければいけない。かっこいい。

マフィアの掟

誓約をしたからには守らなければいけない様々な掟があるので、いくつか挙げてみます。まず、『約束は絶対に遵守しなければならない』というもの。マフィアのボスから絶対にと言われると、そう簡単には破れない気がします。また、『呼ばれたときは、必ず真実を語らなくてはならない』というもの。私達の生きる世界では真実を語らない方が良い時もありますが、マフィアの世界ではご法度です。あるいは、『ファミリーの仲間、およびその家族の金を横取りしてはならない』というもの。金の切れ目が縁の切れ目ということでしょう。掟の中には『妻を尊重しなければならない』というものもあり、いささか人間味を感じさせるものも。

そういえばマフィアって

マフィアの起源は中世シチリアの『ガベロット』と呼ばれる農地管理人にまで遡ります。彼らは山賊から農地を守り、村の秩序を守る一方、武装してならず者を従えていました。また、一方で、農民から法外な地代を搾取していたという特徴もあり、現代のマフィアに通じるものがあります。

マフィアが今のような様相を呈してきたのは、20世紀に入り議会制民主主義が導入されてからです。普通選挙制度が始まるとマフィアは保守政党と結びつき、集票を請け負うようになって、次第に中央政治権力と繋がりが深まっていきました。

現在の彼らの主たる活動は麻薬取引、殺人、密輸、密造、共謀、恐喝、などがあります。また、『みかじめ料』(マフィアの縄張りで営業を許す代わりに徴収するお金)の集金や高利貸しなどの犯罪、不動産業という合法的なものなど、多岐に渡ります。

アル・カポネ

アメリカ禁酒法時代に酒の密売などでその名を轟かせた大物マフィア。陪審員の買収をしたりと卑怯な方法で大きな刑を免れ続けた彼だが、最終的に『アンタッチャブル』と呼ばれる調査団によって11年の懲役、罰金8万ドルの有罪判決を受けた。数ある罪の中で、所得税の脱税がカポネの足を掬ったというのは興味深い。

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“Al Capone-around 1935″ by Wide World Photos, Chicago Bureau (Federal Bureau of Investigation) – Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ – http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Al_Capone-around_1935.jpg#mediaviewer/File:Al_Capone-around_1935.jpg

今回、カメラに捉えられたマフィアの構成員は、結社罪、武器の違法取引、恐喝などの容疑で身柄を拘束されました。37人が勾留され3人が自宅監禁とされましたが、そのうち何人が誓約を守り続けるか興味深いところです。

REFERENCE:

AFPBB News

AFPBB News

イタリア警察、マフィアの加入儀式を初めて撮影 「毒の誓約」も
http://www.afpbb.com/articles/-/3032086?pid=14822424