文章を素早く読み効率的に大量の書物を読破する『速読』をおこなっている人は普通に書物を読むよりも内容を理解していないことがカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究により明らかになった。

In a world of email and social media, speed reading could be the answer to the always on generation’s prayers.
However, researchers studying the techniques and apps available say they don’t work.
The looked at decades of research – and concluded speed readers don’t remember what they read.

これを確かめる実験は非常にシンプルなものだった。研究者は既に速読を体得している人にいくつかのテキストを速読をしてもらい、その内容についての質問をしたところ、速読をおこなった人は質問にほとんど答えられず内容をあまり覚えていないことがわかったという。研究には十年以上の歳月が費やされたらしいがなぜそんなに時間がかかったのかという疑問を禁じ得ない。

「読む時間と内容の把握の正確さはトレードオフの関係にある」と研究者は語る。読書は視野と思考が複雑に絡み合ってなされるものであるため、文章を読む時間が短くなればなるほど文章の理解は確実に低下するのだという。目は追いついてても頭の方が追いついていなかったら意味がないということだ。

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言われてみると当たり前の話ではある。大抵の人にとって知識はただ文字を頭に入れるだけでは身につかない。意味を咀嚼し自分の言葉に直して初めて使える知識になるのだ。脳は使わない情報はすぐに忘れてしまうのできちんと飲み込めていない情報を詰め込んでも右から左に通り抜けていくだけだ。

しかし速読があらゆる場面で悪いというわけではない。読んだテキストについての知識が既にある程度備わっている人(たとえば数学に詳しい人が新しい分野の数学の教科書を読むなど)はすぐに内容を理解できるため速読でもきちんと意味を把握できたということもわかっている。

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似たような内容の本を既に読んでいたなら速読でも問題ない。

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ネットの普及もあり次々と情報が入り込んでくる昨今は速読のような便利に見えるものに飛びついてしまいたくなるが『学問に王道なし』と同様に読書にも王道はないらしい。知識を入れるための読書だとどうしても速読に意識がいってしまうが、元来読書は楽しいものでありそれだけでも有用なものである。急ぐ気持ちはわかるけれども、読書の時間くらいはのんびり楽しんだ方がいいのかもしれない。

REFERENCE:

Researchers say people don’t understand information they take in when speed reading | Daily Mail Online