筆記体を学習する機会は日本だけでなく世界的にも減っているようですが、これを素早く習得できるメソッド『CursiveLOGIC』がKickstarterで出資を募っています。

https://www.kickstarter.com/projects/569049737/cursive-is-endangered-together-we-can-preserve-it

CursiveLOGICの概要

筆記体を簡単に習得するために考えられているメソッドです。特徴は、『書き出しのストロークの形状』によって26種類のアルファベットを4つのグループに分類することです。

グループはoval(楕円)、loop(輪)、 mound(山)、swing(振り子)の4種類からなり、それぞれ異なる色が指定されています。これは、色覚に訴えることで形状による分類をより感覚的に定着させるためだそうです。

『CursiveLOGIC』が生まれたきっかけは、Lindaさんが担当していた学習障害を持つ生徒の相談。

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Kickstarter

しかしまだ未公開……

残念ながらこの記事執筆時点ではまだファンディングの最中であり、くわえて特許出願中ということもあってか、ほとんどの情報が非公開なのです。隠されれば隠されるほど人間というのは気になってしまうもの。

ならば勝手に推測して実際に試してみる

だったら、勝手に予想して練習してしまえばいいと考え早速調査してみます。公開されている情報を基にすると、このうち一つ目のグループ『oval』に属するアルファベットは『a, c, d, g, q, o』の6つであり、oval(楕円)部分にオレンジ色を付けることが既に分かっています。

ovalグループ

『a, c, d, g, q, o』の6つ。

メソッドの狙いを考察する

とにかく4つに分類することがこのメソッドの本質のようです。であれば先ずはその目的を考え、そこからこのメソッドがどのように機能するのか考えてみましょう。

共通部分で単純化

最初に思いつくのが、筆記体文字の形状を覚えるのに要する時間の短縮です。ブロック体とはまったく軌跡が異なるので、文字を覚える段階において挫折してしまう人も少なくないと思います。このメソッドではラテン文字26種類の筆記体を独立した記号として捉えるのではなく、書き始めのパターンによってグルーピングし、共通部分とそれ以外に分離して覚えることができます。

共通部分(LOOP)を除外して覚えられる

ちょっと慣れない気もする。

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sign

この予測に基づいて、未公開である3グループ、20文字を勝手にグループ分けしてみました。

【公式】ovalグループ : orange

公式で唯一公開されているグループ。楕円が共通している。オレンジ色でa,c,d,g,o,qが該当。

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Yu Hirayama

loopグループ : lime

輪を描くグループ。ライム色でb,e,f,h,k,lが該当。

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moundグループ : mauve

山っぽい形を描くグループ。藤色でm,n,v,x,y,zが該当。

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swingグループ : silver

少し予測が難しかったグループ。銀色でi,j,p,r,s,t,u,wが該当。赤丸部分は省略されることもある。

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一筆書きのように書く筆記体では、連続する文字の組み合わせによって繋がり方が変化するので常に次の字形を意識しながら書くという並列処理を必要とします。これが意外と難しく、『えっと、どんな形だったっけ……』といったように一文字一文字書き出しのタイミングでつまずいてしまいがちです。しかし書き出しのストロークさえマスターすれば、次の文字への繋がりも4パターンに単純化して考えることができるはずです。

以上の効能を意識して練習することできっとうまくなるのでしょう。いや、そういうことにしておきます。

いざ実践

なお、筆者はこれまで筆記体を学んだことはありません。

まずは筆者の名前から

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そもそも筆者が悪筆なのもありますが、やはり「文字を繋げて書く」というルールが非常に手ごわいです。fsなどブロック体とはまったく異なる文字も多く、最初のストロークに集中するあまり筆圧が強くなったり、ノートの罫線からズレたりしてレタリングを統一するだけでも苦労します。

私は筆記体(cursive)を勉強しています

sなんて形からして記憶しにくい。

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私は小文字(lowercase)で文字を書きます

rやoへの移行も難しい。

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とにかくひたすら練習あるのみ

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基本から一字ずつ

一文字だけだと繋がりのストロークを意識せず書いてしまう。

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書き出しが難しくなる組み合わせ

bからのa、yからのrなど。とてもイライラする……。

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一筆書きっぽさを目指す

手が止まりやすい文字の繋がりを見つける。ここではaの後に来るyやmといったmoundグループに苦戦。

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ストロークの終点と始点に高低差がある組み合わせ

vからのe、oからのiといった下降するタイプは難しい。

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途中経過

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おや……?

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初期と比較

スラスラ書けるようになってきているような……。

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このあたりからスムーズに書けるようになってきました。

正しく書けるか自信がない時に生じていたサイズのバラつきが抑えられ、くわえて筆圧も安定しています。最初のストローク部分がはっきりわかるように書くと、筆記体の文章特有の一筆書きで書いたような印象が強まります。慣れない内はストロークを中断し、そこからどのような軌道を辿れば文字になるかを考えることで、綺麗な線を引くように意識できました。

より高みを目指したくなってきた

しかしこのメソッドのお陰でスラスラ書けるようになったとはいえ、字は美しくないままです。多分この記事を終えたら二度と書かない気がします。どうせなら格好の良い筆記体を書きたいと思い、お手本に成るような画像を検索して真似たり、不格好に見えるクセを直したりと、腱鞘炎になりそうな練習をひたすら繰り返しました。

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かっこいいストロークを探す旅

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筆跡がだんだんスマートに

だんだん力が抜けてきた。

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そして……

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どーん!

うそ……これが私の字?

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やりました。ついにやりました。
ひたすらストロークだけを練習したお陰で自然な運動曲線が書けるようなり、次に無罫の紙で傾斜をつける練習をしてみたのが良かったのかもしれません。ともかく自分の名前だけはスラスラとしかも綺麗に書けるようになりました。最初に書いた文字がゴミのようです。

なんだこの汚い字は

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実践を終えて

既に筆記体が書ける人から見るとややこしく感じるかもしれませんが、これまで経験のなかった筆者にとってこの「ストロークによるパターン化」は、ブロック体と大きく異なる文字を書く際に字形をすんなり思い出す手がかりになりました。その結果筆も速くなり、文字と文字の繋がりのギクシャク感が自然と収まってきました。

ただし、今回試したメソッドはあくまでも筆者が勝手に推測したものです。実際のCursiveLOGICとはまったく異なる可能性があります。そもそもグループ分けの段階で間違っているかもしれませんので、お試しになる方はその点ご了承ください。もっとも、丸2日も練習すれば上手くなって当たり前なのかもしれませんが……。

ともかく英語の筆記体はとりあえず書けるようになったので、次は別の言語にも挑戦してみようかなと思います。

ロシア語の筆記体

……。