ダイエットのために食事制限をしている人は少なくないと思います。食べたいものがあるけれども我慢する、たくさん食べたいけれど量を減らす。そんなふうに頑張っていたのに反動で食べ過ぎてしまったり、食べなさすぎて体調を崩してしまうという経験をしたことがある人もいるでしょう。ごはんは食べたい、でも痩せたい。現在カリフォルニアのソーク研究所で開発中のダイエット薬『fexaramine』なら食事をとった気分が味わえて脂肪も燃焼できるそうです。

Blue pill meal

はーい、ごはんよー。

image by

GettyImages

『架空の食事』

『fexaramine』は服用すると食事をとったように感じる作用があるとされる錠剤です。実際に食事をとったときと同様の反応を身体に起こさせることによって、あたかも本当に食事をしたと錯覚させることで空腹感がなくなるという仕組みです。現在はまだマウスでの実験段階なので、人間の場合は一度に何錠摂取する必要があるのかはわかりませんが、実際に満腹になるまで錠剤を飲み続けるようなことはないでしょう。食事を取っていないので燃焼されるのはもともとあった体内脂肪が対象となるため、食事を我慢した気分にならずに脂肪を減らすことができるようです。

鍵はファルネソイドX受容体

普段は食事を開始したときから、身体は細胞内タンパク質の一種であるファルネソイドX受容体(FXR)を出し始めます。これは、脂肪を燃焼させる作用のある胆汁酸の放出を誘発するものです。胆汁酸はその名の通り胆汁でコレステロールや中性脂肪のもとになるアセチルCoAから生合成されて蓄えられており、放出された胆汁酸は脂肪の燃焼を開始します。『fexaramine』を服用していれば、身体は食事をとっているときと同様に働いているので食事をした錯覚に陥ることができ、胆汁酸の矛先は体内にすでに蓄えられている脂肪に向けられることになります。

Cholic_acid

胆汁酸

image by

Wikipedia

これまでにもFXRに作用する薬品は開発されてきていましたが、服用後に血中に吸収されてしまうため、腎臓や肝臓などへの副作用が懸念されていました。今回の『fexaramine』は腸内だけにとどまって作用することが可能とされ、これまでよりも副作用の可能性は低いとされています。実験のため肥満状態にしたマウスに5週間投与した結果、体重の増加が止まり、脂肪も減少、血糖値やコレステロール値も低くなったそうです。チームは次に人体への臨床実験を計画しているそうです。

食べた気分は味わえる、とはいえ

空腹感を満足させることができて、なおかつ痩せることができるということが売りの『fexaramine』ですが、口に入れるのは多くても数個の錠剤なので、思い切りハンバーガー頬張ったり麺類をすするような感覚を味わうことができないのはなんだか寂しい気持ちになりそうです。食べ応えや味、匂いなど、食事を楽しむ要素はいろいろなものがあります。すべての食事を錠剤に置き換えることは難しいでしょうから、ダイエットのために一日一回は『食べる』楽しみを我慢する、と考えて服用する心構えは必要かもしれません。

fish oil soft gels lying on a plate

せめてこんなふうにしてみるのも

今日はお魚よー。

image by

GettyImages

REFERENCE:

The Independent

The Independent

Diet pill that makes you feel full proven to keep weight off in mice, scientists say
http://www.independent.co.uk/news/science/diet-pill-that-makes-you-feel-full-proven-to-keep-weight-off-in-mice-9958643.html