メールの文末に『.』(ピリオド)を打つと何も付けないメールよりも信用ならない人と思われる傾向があることがニューヨーク州立大学ビンガムトン校の研究により判明した。

ending a text message with a full stop makes you look like a heartless robot, says study. Researchers at Binghamton University, with Celia Klin leading the pack, have found that if you use a full stop, or period, to end a message, you’ll be perceived as an insincere individual.

ピリオドやコンマはない方が信用できる

実験は126人の大学学部生を対象に行われた。実験者は彼らに何かしらの招待文とその返事という定型文を数種類見せた。ただし、返事は文末にピリオドを付けたものとそうでないものの2パターンがある。被験者は2パターンの返事を読み、ほぼ全ての種類の定型文に対してピリオドやコンマを付けている返事の方が不誠実、あるいは信用ならない人が書いたように見えると答えた。不思議なことにこの現象は手書きの手紙では見られなかったという。

『文法ミス』がある方が親しみやすい

日本語の句点と同様、英語でも文末にピリオドを付けないことは正確に言えば文法ミスにあたる。英語のテストでピリオドを付け忘れて減点を受けた人も多いと思う。本来であれば正しいはずの文法を書いた者の方が信頼でき人と判断されるのは少々不思議なことのように思える。

これはコンピュータが打ち出した文章は顔を合わせた会話に付随する表情や声色、目の動きなどが抜け落ちているためではないかと研究者は予測している。これらの非言語的な情報が抜け落ちているため、テキストを打つ人は文字だけでできる限り会話に似た感情を表そうと絵文字やわざと実際の発音に近いミススペルや句読点を利用するとのことだ。句点にも適用するのはやや苦しい説に聞こえるがたしかに実際の会話で句読点が読まれることはないので理解できないことはない。手書きの文字でピリオドが印象に悪影響を与えないのは文章そのものよりも字体に非言語的な情報、あるいは人柄が表れるからだろう。

また、まだ論文にはなっていないが文末に『!』マークを付ける方がピリオドを付けないよりも信用のできる人と思われるという結果も出ていると研究者は語っている。

では日本では?

だが、これはあくまで英語圏での研究だ。日本での場合はどうだろう。

日本でもメールの返事の文末に『。』(句点)を付けないのは少なくとも若者の間にはよく見られることのようだ。『メール 句点』で検索をしてみるとメールに句点を打たない若者の話題が面白いように見つけられる。今回の研究もわざわざ学部生に限定した調査をおこなっているので日本でも『若者』に限定して考察を進めても問題はないだろう。句点が省かれる理由もピリオドと同様に『話し言葉』に近い表現だからと考えて問題はないだろう。あまり適切な例ではないかもしれないが助詞の『は』を『ゎ』と置き換えるのも英語圏の故意のミススペルに対応している。この研究は英語圏に限らず日本語圏、あるいは若年層が頻繁にメールを利用するあらゆる国で通用するものかもしれない。

漢字、平仮名、片仮名

ただ日本の場合はもう少しだけ事態は特殊だ。口語体や文語体、あるいは敬語、略語といった表現の話は英語圏でも『Okay』『Sure』『Yeah』『Yup』といったように了解を表す言葉が数多くあり、今回の研究ではそういったものには触れられていないので言及しない。日本語には同じ言葉を表すのにも漢字、平仮名、片仮名の三種類の文字の種類がある。

一般的に平仮名で書かれた文字の方が漢字に比べ『柔らかい表現』と見られることが多い。わざわざ平安時代は平仮名は女性あるいは私的な場で使われる物だったなどといった歴史的な背景を語るまでもなく、平仮名は学校で初めて習う文字で、言ってみれば『幼い』言葉だ。幼さが信頼に直結するかはわからないが少なくとも漢字よりも率直な『話し手』の感情が窺えるようには見えると思う。

了解、りょうかい

友人から招待の返事が来た時に『了解』と書かれていると妙に事務的な返事に見えるが『りょうかい』と書かれていれば随分と親しみを持たれているように思える。実際の発音に近い『ミススペル』を加えると『りょーかい』になり、確かに気の知れた友人のように思えてくる。デートの誘いに『りょーかい!』などと返信が来た日にはガッツポーズをする人もいるかもしれない。

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『リョウカイ』と書かれていたなら意味を理解するのに少し時間がかかるがロボットらしく見えないこともない。これがユーモラスに見えるかどうかは人を選ぶので飛び道具と考えるべきだろう。

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オーケー、オッケー、おーけー、おっけー

片仮名に話を移すと『オーケー』が一般的な片仮名での承諾の返事になると思うがこれが『おーけー』だと少し子供っぽすぎるような印象を感じる。話し言葉に近付けるのならば『オッケー』にもなる。『オーケー』『オッケー』『おーけー』『おっけー』と並べてみると左から順に段々と幼さが増しているように見えるがどれが『信頼できる』あるいは『親しみが持てる』表現かと問われるとたとえ若者間でも千差万別になるように思える。

食事を褒める際に使う『うまい』は『美味い』『旨い』『うまい』『ウマい』と漢字、平仮名、片仮名の全ての表現方法が許される。あまりメールで伝えることではないしイエスかノーという単純な返答ではないので少々話がズレるかもしれないが『美味い』は何か高級な物、『旨い』は何かしみじみと良い物を食べたような、『うまい』は汎用性が高いが故に他に比べて少々無味乾燥に、『ウマい』は特に記者の主観が入ってるかもしれないが気分の高揚を感じる。

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話し言葉的な表現であれば『ンマーイ!』があるが、こちらは藤子不二雄A先生の『まんが道』を読んだ人とそうでない人で印象が大きく変わるだろう。

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了解、了解。りょうかい、りょうかい。

漢字と仮名で大きく印象が変わることを確認した上で句点を加えてみると話はますます厄介な物になる。『了解』『了解。』『りょうかい』『りょうかい。』。無骨な『了解』に比べ『了解。』は句点の丸い形もあるおかげか幾分柔らかな表現に映る。対して『りょうかい』に比べ『りょうかい。』はどこか他人行儀だ。漢字は正式な場で使われる言葉なため句点が付いている方が落ち着きがいいという見方もあるが『了解。』の一語のみの返答が正式な場で出された場合あまりに無礼なのでその見方は少し難しい。

さらに言えば文末に『ー』(長音)を付ける場合もある。『了解』『了解ー』『りょうかい』『りょうかいー』。こちらは語尾の『!』と同じく親しげな表現に近付くが印象は大きく変わる。ただ、句点以外の『文法的に誤り』な文末は絵文字と同じように捉えるべきだろう。

多くのケースにおいて句点を使わない方が『信頼できる』表現なのかもしれないが、漢字や仮名にまで視点を広げると必ずしも句点を付けないことが『信頼できる』表現ではないかもしれないことが窺える。どのパターンも統計を取って調べたわけではないので『漢字が文末に来るよりは句点を置いた方が柔らかに見えるかもしれない』という類推に結論をとどめる。

ひとまず若者とメールをする場合には返事は平仮名で返答しておくのが無難なのかもしれないが、非若者が若者のような言葉を使うと「若者ぶっている」というレッテルを貼られかねない。むずかしいもんだいである。

REFERENCE:

Your texts will appear more sincere if you DON’T use punctuation | Daily Mail Online