宇宙には夢が詰まっています。NASAが開発中の次世代型有人宇宙飛行船『オリオン』がいよいよ来月のテスト飛行のため、発射台に登ったようです。この宇宙船には貨物と乗員を国際宇宙ステーションに運ぶという重要な役割が与えられており、その動向に期待が高まっていました。今回の試験ではまず無人での初飛行が計画されています。

テスト飛行は約4時間

オリオンは12月4日に初飛行が迫っており、フロリダ州ケーブ・カナベラルのケネディ宇宙センターまで22マイル(約35キロ)の距離を夜間のうちに移動を行い、発射台となるデルタIVロケットの所定の位置に備え付けられたようです。実際のフライトはわずか4時間で、地球上から3600マイル(約5800キロ)離れた地点で無人のカプセルを射出させる見込みです。

オリオンは将来的には火星旅行などに宇宙飛行士を運搬する乗り物として開発されています。月面着陸したアポロ宇宙船に比べ乗員がひとり増えて4人の乗組員を乗せることが可能となったと報じられています。オリオンは太陽電池パネルを搭載し、サイズは直径5メートル、容積はアポロの約3倍でより広い空間が造られています。

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NASAのホームページにはオリオンについてのより詳しい情報が載っています。それによるとオリオンはこれまで作られたどの宇宙船よりも強靭で、今回の試験では電子機器、姿勢制御システムやパラシュート、熱防御シールドの試験と、それらを用いた高速な再突入システムの評価を行うそうです。

オリジナルの計画は60年前!?

オリオンの歴史をたどっていくと面白いことがわかりました。『オリオン計画』と呼ばれるアメリカで行われたこの計画は実に60年以上前に行われていたもので、世界初の光学的な研究計画でした。この計画では原子力をロケットエンジンに使うことで最高で光速の30分の1(秒速10,000km)まで加速が可能という素晴らしい構想を持っていました。これは1秒で地球を脱出できる速さです。残念ながら1963年に核実験禁止条例が調印されたことにより、一度計画が終焉を迎えていますが、同じ名前を関した宇宙船がいよいよ来月初飛行に臨むことになります。テスト飛行などを繰り返していき、順調に行けば2030年半ばまでに火星への有人飛行の実現を目標としています。

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『オリオン計画』で構想されていた宇宙船

計画が中止となった原因の部分的核実験禁止条約(略称PTBT)はアメリカ、イギリス、ソ連の間で1963年8月5日に調印されたもので、地下を除く大気圏内、宇宙空間、水中での核爆発を伴う実験を禁止するというものだった。1962年のキューバ危機によって、アメリカ・ソ連間の対立が悪化し、核戦争手前までエスカレートしたことを経て、お互いが歩み寄るために結ばれたものだった。条件付きではあるが核実験を抑止する内容であることは冷戦時代の出来事では画期的とされ、未開発国や後進国への核の拡散をある程度防ぐ役割も果たしたとされている。

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2014年現在で最も我々に身近な宇宙旅行のプランは気球で行く高度3万メートルの旅でしょう。こちらはアメリカのWorld View社が2016年から開始予定のサービスで、高度約3万メートルまで上昇し、約2時間の滞在で地球の姿を宇宙視点で眺められるというものです。大気圏を離脱しないため完全な宇宙旅行とは呼べませんが、特殊な訓練は不要で、お値段は約730万円です。
将来、新婚さんがハネムーンの行き先としてハワイと同じ感覚でオリオンに乗って宇宙を旅することを選べる時代が来るかもしれません。

REFERENCE:

ABC NEWS

ABC NEWS

NASA’s New Capsule at Launch Pad for Test Flight
http://abcnews.go.com/Technology/wireStory/nasas-capsule-launch-pad-test-flight-26870028