スティーブ・ライヒの代表曲の一つである『Piano Phase』を視覚化したサイトが話題になっている。

スティーブ・ライヒは短い音の連なりを最小限の変化を加えながら反復するミニマル・ミュージックの創始者の一人。スタジオジブリの映画の劇伴を数多く手がけている久石譲もミニマル・ミュージックを作っていた時期があり、代表曲『風の通り道』でもミニマル的な、とりわけライヒ的なフレーズが含まれている。

Piano Phaseはライヒの初期の代表曲で二台のピアノが同じフレーズを少しだけズレたテンポで演奏される。少しずつズレていく二台のピアノのフレーズが長い時間をかけてフレーズがまた一つに戻る、という一連の流れが三つのフレーズでおこなわれて一つの楽曲になっている。このサイトは最初のフレーズを弾く二台のピアノの音を円を描くように動く点の動きで表し、二台のピアノが次第にズレていく様子を目に見えるようにしたものだ。二台のピアノの音が再び重なりあうまでの動画も公開されている。

Pianophase.com

サイトを開くと左のチャンネルからPiano Phaseの最初のフレーズが流れ、何度かフレーズを繰り返した後に右のチャンネルから少しズレたテンポで同じフレーズが流れるのが聴こえてくる。映像もそれに伴い黒い描線が赤と緑に分離し少しずつズレていき、薄くその軌跡を残す。ライヒはPiano Phaseを磁気テープに録音した音の繰り返しというそれまでに作っていたミニマル・ミュージックではなく演奏者を入れることで『固定的』でないミニマル・ミュージックとして作ろうとしていたが、対してサイトの音源はコンピュータによる打ち込みで作られているため若干『固定的』ではあるがそれでも二つの描線が何周も円を描いた末に再び同じ軌道を描く様子は感動的だ。

サイトを作成したのはGoogle Creative Labのクリエイティブディレクター、アレキサンダー・チェン氏。彼のサイトでは、他にもバッハの無伴奏チェロ組曲の前奏曲やビーチボーイズの『you still believe in me』のボーカルとコーラスを視覚化したものやニューヨークの地下鉄の路線図とその中を走る電車を音楽にしたものなどを見ることができる。

REFERENCE:

Piano Phase