2016年もあっという間に2月に入った。何もせぬまま1ヶ月過ぎてしまい、このままでは今年もすぐに終わってしまう……。年末年始に立てた『目標』はどこへやら、今となってはなぜあんな目標を立てたのかわからない……。そんな人もさぞ多かろう、かくいう記者がそうである。

しかし、無理やりポジティブになってみようではないか。今年はまだ残り11ヶ月ある、新年の目標は今日からでも仕切り直せる!

目標は尋ねてもらうべし

もしもあなたが新年の目標を人知れずSNSで宣言しただけなら、次の方法を試してみるといいかもしれない。ワシントン州立大学などアメリカの4大学で行われた研究によると、「目標は宣言するより尋ねてもらったほうがいい」というのだ。たとえば、「今年はなにを頑張る1年にしたいですか?」というように……。

研究チームによると、『質問』と『行動』のあいだにはある関係が生じるという。特定のテーマに関する質問は、将来的にその人の意思決定に影響を与えるというのだ。研究リーダーのデイブ・スプロット氏は「あなたが誰かに将来の行動を尋ねると、その人の行動が変わる可能性がある」と話している。

話すことで考えが整理されることはあるけれども……。

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なぜ『質問』が効くのか

『質問』が人の行動を変えることの仕組みはとても単純な話のようだ。たとえば、「ゴミをきちんと分別していますか?」と聞かれた人は、『もしそうしなかったらどうなるか』を考えるという。分別しなければ環境に悪影響を与えるかもしれないと思うと、どことなく心地が悪いだろう。そしてそれ以降、わざわざそっちの選択肢は選ばない、というわけだ(もっともこれは心の動きの傾向であって、モヤモヤを見て見ぬふりするケースもあるはず)

いわば『そうしない』ことの罪悪感を利用した効果であり、これは新年の目標に限らずさまざまな場合に当てはまる。テストでカンニングする/しない、毎日の運動をする/しない、性別や民族などで人を差別する/しない……。研究チームによると、とりわけ個人や社会にとって『よしとされていること』を薦めるような質問は高い効果を発揮するという。ただし一方で、休みグセや常習的な飲酒のような『悪いクセ』についての質問は逆にその行為を促してしまうこともわかっている。『質問された』という経験が、人に選択肢をはっきりと与えることがこの効果に繋がっているといえるだろう。

消費者の気持ちを刺激する『質問』

たとえば「新しいパソコン買わないんですか?」といった質問も効果を発揮するようだ。『けしかけられている』といってもよさそう。

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今年の抱負に転用してみよう

では、実際に『今年の抱負』をやり直すためにはどうしたらいいのだろうか。あらかじめ自分の抱負を伝えておき、それから「聞いてもらっていい?」などとお願いするのも変な話だろうし、かといって相手のためになると思って「今年は痩せないの?」などと聞こうものなら喧嘩にも発展しかねない。

もっとも確実なのは、一度目標をきちんと宣言しておいて、周囲が突っ込まざるをえないほど怠けるという方法だろう。今年は痩せたいと思っている人なら、「今年は5kg落とす!」と宣言したうえで、あからさまに友人の前で甘いものを食べつづけるのだ(かえって痩せにくくなっても保証しない)

見るに見かねて「痩せるんじゃなかったの?」と聞かれたらしめたもの、すでに自分の内面では「もし痩せなかったら……」という問いかけが起きているはずである。おそらく。

本末転倒にならぬよう注意すべし

質問の効果は半年以上。自問自答でも効くとか……。

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心理学者の語る『10の方法』

もっとも新年の目標を達成できるかどうかは、最終的には自分の意思次第である。では、その『意思』という掴みどころのないものをどうコントロールすればいいのか……。イギリスの心理学者リチャード・ワイズマン氏の調査によれば、新年の目標を達成できたのは3,000人のうちわずか12%だったという。そこで彼は、成功者がいったい何をしていたのかを分析して10項目のリストを作っている。

1)ひとつだけ目標を立てること。日頃の行動のうち1つを変えることにエネルギーを注ぐほうが成功の見込みは大きい。

2)自分が本当に達成したいことについて、前もって時間をかけて考えておくこと。

3)以前に失敗した目標に再び挑戦するのは、ストレスや負荷がかかるので避けること。

4)いかにもよくある目標ではなく、自分の本当の欲求に基づいて目標を立てること。

5)最終目標に至る段階として、より具体的で扱いやすく、時間的にも適切な『小目標』を作ること。

6)目標について友達や家族に話すこと。すると失敗の恐怖が大きくなって、時には助けてもらえることにもなる。

7)目標を達成できたら生活がどう良くなるのか、チェックリストを作ること。そして定期的に確認すること。

8)小目標を達成したら自分にご褒美をあげること。モチベーションを維持できるし進歩も感じられる。

9)計画を立てて、その進行を具体的に記録すること。手書きでもパソコンでも、ボードに絵や写真を貼るのでもよい。

10)時々かつての習慣に引き戻されるのを予期しておくこと。失敗は諦める言い訳にせず、あくまで一時的なものと思うべし。

ここまで読んでしまった人は、おそらく経験上、自分の意志の弱さが最大の敵であるとよく知っていることだろう……。もちろん、10項目すべてに取り組む必要はない(それ自体が目標になりかねない)。それでも今年こそは、新年の目標に最後まで取り組めますように。記者も今日あるいは明日から、いや来週くらいから試してみてもいいかもしれないと思っている。

REFERENCE:

Will YOU stick to your New Year’s resolutions? Psychologists say asking questions rather than making statements helps people follow goals

Will YOU stick to your New Year’s resolutions? Psychologists say asking questions rather than making statements helps people follow goals

http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3376697/Will-stick-New-Year-s-resolutions-Psychologists-say-asking-questions-making-statements-helps-people-follow-goals.html

How to keep your New Years Resolution…. « Richard Wiseman

http://richardwiseman.wordpress.com/2013/01/01/how-to-keep-your-new-years-resolution-2/

How to keep your New Year’s resolutions, according to science

http://www.sciencealert.com/how-to-keep-your-new-year-s-resolutions-according-to-science