日本ではよく耳にする『グローバル化』、乗り遅れるとまるで世界から取り残されるような印象を受けるこの言葉ですが、実は世の中は私たちが思っているほどグローバル化していないかもしれません。

ケンブリッジ大学の調査により『上流階級』に属する人ほどFacebookでの外国の友人が少ないことが明らかになりました。

New study using Facebook network data, including a dataset of over 57 billion friendships, shows correlation between higher social class and fewer international friendships. Researchers say results support ideas of ‘restricting social class’ among wealthy, but show that lower social classes are taking advantage of increased social capital beyond national borders. – See more at: https://www.cam.ac.uk/research/news/facebook-data-suggests-people-from-higher-social-class-have-fewer-international-friends#sthash.lbSIX1tm.dpuf

調査はまずアメリカに住む857名を対象に行われました。研究者は調査対象者に自分が経済的に上流階級か下流階級に属するかを自己申告してもらい、Facebookでの友人関係を教えてもらいました。その結果、下流階級に属する人の方が平均して1.5倍近く外国の友人が上流階級に属する人に比べて多いことがわかりました。

global image by

Getty Images

しかし、これだけではただアメリカの上流階級がグローバルな人でないという可能性も考えられます。そこで研究者はFacebook社の協力を得て調査を世界規模に広げました。

次の調査対象はFacebookのほぼ全ユーザーです。2014年10月時点でFaceboookの月間アクティブユーザー数は約13億5000万人。集計した『友人』の数は全て合わせて約570億に上ります。これだけ膨大な数の人から『上流階級であるか』を確認することは不可能なので研究者は人口一人あたりの国内総生産(GDP)でその国に属する人全体が上流階級である下流階級であるかを決め、その上で友人関係を調査しました。

nation image by

Getty Images

その結果、一人あたりのGDPが高い国ほど外国の友人が少ないことが明らかになりました。

1-s2.0-S0191886915004973-gr1

上が一人あたりのGDPを表すグラフ、下が外国の友人の数を表すグラフ。赤いほど多く、黄色いほど少ない。英語を公用語とする国やEU加盟国でさえ他国の友人が少ないのは少々意外な事実だ。

image by

On wealth and the diversity of friendships: High social class people around the world have fewer international friends

たしかに、グラフを見る限り上の図で黄色い箇所が下の図では赤く、上の図で赤い箇所が下の図では黄色くなっているのが見て取ることができます。このグラフを信じるのならば富裕国ほどグローバル化が進んでいない、ということになります。

研究者は比較的富裕な国々あるいは人々は豊富な資源に恵まれているため比較的閉じた社会で完結することが可能になってしまい、そのせいで他国の人との交流が狭いのだろうと予測しています。

日本のグローバル化は?

グラフを見てみると日本のGDPは赤色、国外の友人のグラフも赤色に近いオレンジ色となっており、他の富裕国に比べて国際交流が盛んな国であることがわかります。だとするのならば日本の『グローバル化』は無意味なのでしょうか。

どうやらそうと決めつけるわけにもいかないようです。グラフを見てみるとイギリス、アイルランド、オーストラリアなどのほとんどの他国と海で隔てられた島国の富裕国は比較的他国の友人も多いことがわかります。

このことが意味する正確な意味はわかりませんが、隣接するイギリスとアイルランドが不仲であると言われることや同様に日本と不仲であると言われがちな韓国が両グラフともに赤色を示していることが関係あるかもしれませんし、島国であるがゆえに『閉じた社会』で完結することが許されないのかもしれません。ただ、富裕国の島国は国際交流が盛んな国だという事実は注目しておくべきことでしょう。

england image by

Getty Images

また、研究者は富裕国が閉じた社会で完結することに対して警鐘を鳴らしています。国際交流がない閉じた社会にいれば国外の新しい情報や資源、アイディアなどを得ることができず多くの利益を失うこととなってしまうからです。

よく『都会の人間は冷たい』と言われますが、それは今回の結果のように他人と交流を取らずとも生きていけるからなのかもしれません。それでも、たとえ必要がなかったとしてもより多くの人と関わる方が、より充実した生活を送ることができるでしょう。国単位でもそれは同じことのはずです。たとえ閉じた社会で完結することができたとしても、より多くの人々、違う言語、文化の人々と関わることがより充実した人生、より良い世界を作る手助けとなることでしょう。

REFERENCE:

On wealth and the diversity of friendships: High social class people around the world have fewer international friends

On wealth and the diversity of friendships: High social class people around the world have fewer international friends

Yearwood, Maurice H., et al. “On wealth and the diversity of friendships: High social class people around the world have fewer international friends.” Personality and Individual Differences 87 (2015): 224-229.

Facebook data suggests people from higher social class have fewer international friends | University of Cambridge

https://www.cam.ac.uk/research/news/facebook-data-suggests-people-from-higher-social-class-have-fewer-international-friends

【2015年保存版】ソーシャルメディアのデータまとめ一覧。ユーザー数から年齢層まで、SNS運用担当者は必見!

http://gaiax-socialmedialab.jp/socialmedia/368