従来の常識では考えられなかった、脳死からの蘇生治療が可能になるかもしれない。アメリカ・Bioquark社は、まもなくその初めての実験に臨もうとしている。

Bioquark, a healthcare company set up to look into so-called ‘repair’ and ‘reanimation’ technologies claims death may not be ‘irreversible’ and we have reached a point to ‘push the envelope’ and test if this is really the case.

脳死とは
脳死とは、人間の脳幹を含めた脳の全機能が不可逆的に回復不能となった状態。心臓は動いており、人工呼吸器を使えば呼吸も維持できるため、「脳死を人間の死と呼べるか」という問題は現在も議論の対象とされる(日本の法律には脳死を個体死とする旨の記載はない)。

たとえば両生類や一部の魚は、致命的な外傷を負ってもなお脳の機能を修復再生する能力を持っている。もちろん人間にそんな能力は備わっていないが、Bioquark社による『ReAnima』プロジェクトとは、まさに『脳の機能を修復再生する』試みなのである。同社はプロジェクトを「神経の蘇生・再生のため、最先端の生体医療技術の可能性を模索するもの」だと説明している。

トカゲ

生命機能が失われていなければ脳を修復再生することができる。

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MailOnline

プロジェクトの第1段階は、「外傷性脳損傷による脳死」と判断された15~65歳の患者20名を対象とした実験である。意識障害を抱えた患者に用いる医療デバイスと生物学的再生ツールを使用することで、幹細胞や正中神経を刺激しつつ、MRIスキャンで『蘇生』の兆候を見るものになるという。この実験はすでに治験審査委員会の承認を受けているため、準備さえ整えばすぐにスタートできる状況だ。被験者となる患者の募集はこれから始まるという。Bioquark社は「はじめの2~3ヶ月の結果に注目してほしい」と自信を示している。

この世界初となる『脳死からの蘇生』実験は、意図的に選ばれた被験者の1グループを対象に行われる。いわゆるスタンダードな臨床試験はランダムに選ばれた複数のグループを対象に実施されることが多いため、その点を鑑みると、この研究の発展にはしばらく時間を要しそうだ。もっとも同社によれば、1日あたりの世界中の死者15万人中5万人は外傷による脳死だという。たとえ小さな一歩であっても、今回の研究がなんらかの成果を残せれば、医療に大きな影響を与えることになるだろう。

REFERENCE:

Could we soon REVERSE death? ‘Reanimation’ firm is looking for ways to bring brain-dead people back to life

Could we soon REVERSE death? ‘Reanimation’ firm is looking for ways to bring brain-dead people back to life

http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3553644/Could-death-soon-REVERSIBLE-Reanimation-firm-looking-ways-bring-brain-dead-people-life.html

Non-randomized, Open-labeled, Interventional, Single Group, Proof of Concept Study With Multi-modality Approach in Cases of Brain Death Due to Traumatic Brain Injury Having Diffuse Axonal Injury

http://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT02742857?term=bioquark&rank=1

Bioquark Inc. and Revita Life Sciences Receive IRB Approval for First-In-Human Brain Death Study

http://www.prweb.com/releases/2016/04/prweb13354004.htm

脳死 – Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/脳死