宗教といえば、キリスト教・仏教・イスラム教の3つ、いわゆる世界三大宗教が有名です。それでは標題のユダヤ教はどうでしょうか。多くの日本人にとっては「ユダヤ教の名は知っているが、その実態はよく分からない」というような位置付けでしょう。そういう方も、この動画を見ると無関心ではいられなくなるかもしれません。

【10月2日 AFP】エルサレム(Jerusalem)で2日、ユダヤ教で最も神聖な日「ヨム・キプール(Yom Kippur、大贖罪日)」を前に、頭上でニワトリを回す儀式「カパロット(Kaparot)」が行われた。この儀式によって、過去に犯した罪がニワトリに移ると考えられている。(c)AFP

ヨムキプール(大贖罪日)

これは今年10月2日にエルサレムで行われたヨムキプール(大贖罪日)の光景です。
石壁に囲まれた敷地の中央部にケースが廻らされています。その周りに信徒と見える人々が集まっています。青いケースの中でひしめくように動いている動物、これは全てニワトリです。こんなにたくさんのニワトリを集めて、これから何を始めようというのか予想がつきません。

キャプチャ

するとおもむろに人の頭上でニワトリを回し始めました。ニワトリは抵抗もせずおとなしく回されています。羽をつかんで回されたり、足をつかんで回されたり。ニワトリはキョトンとしている?ちょっと迷惑そう?それでも大人しくじっとしてくれているようです。

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頭上で回されるニワトリ

カパロットという儀式

この儀式を知らない人からすると、何の意味をもって回しているのか分かりません。これは「カパロット(ヘブライ語で「償い」の意味)」と呼ばれ、人が過去に犯した罪をニワトリに移すという儀式なのです。カパロットの起源は古く、古代エルサレムではヤギに人々の罪を負わせ、荒野に放していました。いわゆる「スケープゴート」です。

7番目の月の10日を贖罪の日として祝う時、イスラエルの人々から贖罪のささげものとして2匹の雄山羊を受け取り、これを引いてきてくじを引き、1匹を主のものにし、もう1匹をアザゼルのものにするというものである。ここでアザゼルのものとされた山羊を屠らずに生かしおき、これにて贖いの儀式を行う。こうして民の罪を負わせた山羊を荒れ野のアザゼルのもとへ放逐するというものである。

食のタブー

多くの宗教には食べることを禁じられた食材があり、ユダヤ教も例外ではありません。ユダヤ教ではラクダ、ウサギ、ブタなどを口にすることができません。逆に食べてよいと定められているものをカーシェールと呼び、ニワトリもこれに含まれていました。皆さんもう察しがついていると思いますが、カパロットに使用されたニワトリもこの後食べられてしまうそうです。

ニワトリだけに滑稽な様子には見えますが、一度も罪を犯さずに生きることが不可能な人々にとって、贖罪、罪をあがなうことは容易いものではありません。相手が謝罪を拒絶したり、ましてや故人であるならば困難を極めます。罪とは異なりますが、日本の民族風習でも「エンガチョ」という穢れを防ぎ、あるいは払うカジュアルなおまじないがあります。ユダヤ教の人々はこのような形で救いを手にして乗り越えるようです。

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ヨム・キプル

ユダヤ教徒はこの日は飲食、入浴、化粧などの一切の労働を禁じられる。
ユダヤ教徒は、ヨム・キプルのあいだは断食を行わなければならない。敬虔なユダヤ教徒は、唾液も飲み込むことなく吐き出している。 –Wikipedia

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Maurycy Gottlieb

Heiji

エンガチョ

エンガチョは「糞便を踏んでしまう」「トイレの便器に触れてしまう」など、誰かが不浄なものに触れた瞬間を第三者に目撃された段階が起点となる[1]。不浄なものを触れた者は、当該部位を別の第三者にこすり付ける事で穢れから解放されるが、第三者が「エンガチョ」と叫び、印を結ぶと防御することが出来る。 – Wikipedia

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