
マクドナルドの工場内が初めて報道される
2014/10/222:36マクドナルドといえば、世界中で最も多くの人々がそのハンバーガーを口にし、同時にその「噂」も口にしている超巨大ハンバーガーチェーンです。謎の多いこの有名企業の工場の内部が、初めて公共の電波に乗ったようです。
「私たちのハンバーガーに、ピンク色のスライムは入っていません」
そんな噂に終止符を打ち、デマを打ち消すキャンペーンの一環として、アメリカのマクドナルドにおいて食品加工工場の舞台裏が明らかにされた。
マクドナルドの工場にカメラが入る事が許可されたのはこれが初めての事で、都市伝説を振り払うための新たなキャンペーン「Our Food. Your Questions.」のひとつとして行われた。

この工場では一日当たり1.8トンの牛肉を加工する
遺伝子組み換え食品は使っていないそうです

適当な大きさにカットした牛肉を
使われているのは肩肉、もも肉、サーロインなど

グラインダーでミンチにする
100%混じりっけなしのビーフ

パティの形に成形してできあがり
保存料は使用していないそうです
ニュース内映像につき短い映像ですが、見たところ何も問題は無いようです。レポーターの質問に対しても誠実なやりとりが伺えます。

終止にこやかなABCのレポーター
これまでマクドナルドといえば、製造過程に関する秘密を一貫して守ってきた印象があります。ところが一転今年の5月頃から、大々的な情報開示のキャンペーンを打つようになりました。なぜこのような取材を受け入れるまでになったのでしょうか、背景にはこんな事情があるようです。
Our Food. Your Questions.に至るまで
マクドナルドの食品に関する噂は、そのほとんどがマクドナルドにとって感じの悪い類いのものです。日本でもこれまでこのような噂が流れていました。
某社のハンバーガーの肉にはミミズが混ぜられている。
某社のハンバーガーの肉は実はネズミの肉である。
某社のハンバーガーの肉はビーフはビーフでも、実はウシの目玉である。
某社のハンバーガーの肉にはネコの肉が混ぜられている(『ニャンバーガー』と呼ばれる)。
某社と書いてありますが、おそらくロッテリアやモスバーガーの事では無いでしょう。これらの中でも特にミミズ肉の噂などは有名です。ネズミの肉や牛の目玉のくだりにはたちの悪いノリを感じます。「ニャンバーガー」に至っては聞いた事がありません。海をまたいだ日本でさえも、こういった事実無根の噂が数多く流れてきたのです。いわんやマクドナルドのお膝元である本家アメリカにおいては、目に余る程の過激な噂が飛び交っていたようです。いわく、
ハンバーガーの肉は、屑肉を洗濯機に入れてきれいに洗い、アンモニアにつけて消毒し、これをミンチにしてから味を付けた「ピンクスライム肉」を使用している。
マクドナルドのチキンナゲットにも、その「ピンクスライム肉」または「人肉」が使用されている。
遺伝子組み換え食品を使っている。
ヨガのマットの製造に使われているものと同じ化学物質が食品に含まれている。
などが挙げられます。とりわけ「ピンクスライム肉」がメジャーな噂になっているようです。当初マクドナルドはこれらの噂を無視していましたが、それでは消費者の疑念はなかなか収束しませんでした。そこで、これらの噂を払拭するためにマクドナルドが行ったのが、Our Food. Your Questions.という情報開示キャンペーンです。
Our Food. Your Questions.
「ハンバーガーには「ピンクスライム」と呼ばれる肉を使っているのか?」への回答「ピンクスライム」またはリーンビーフトリム(赤身牛肉切り落とし)と呼ばれている、アンモニア処理した生成肉は私達のバーガーには使われていません。近年行われている報道は間違っています。
メディアでその使用について広く知られるようになる前から、私達はチェーン店での取り扱いを止め始め、2011年には完全に供給を止めています。実際リーンビーフトリムは安全なのですが、世界における国際基準に合わせるために使用を取りやめる事を決定しました。
アメリカマクドナルドにおいて、2004年から2011年にわたって使用していたようです。他の国のマクドナルドでは使用していませんでした。日本では食肉のアンモニア加工は禁止されていますので、もちろん使用されていません。
パンの焼き上がりを統一させるために、有機系発泡剤のアゾジカルボンアミドが使われています。しかしこの物質は、スーパーで販売されているホットドッグやハンバーガー用のパンにも使用されており、安全性は保証されています。
アゾジカルボンアミドは発泡スチロールの発泡剤として使用されていたりもしますが、食品の添加物としても一般的に使われています。マクドナルドではバンやホットドッグに使っているロールパンに含まれているようです。
食品添加物アゾジカルボンアミドは下記の条件に従って食品に安全に使用できる。
(a) 本品は次の用途に使用する、または使用することを目的とする。
(1) 穀物粉の熟成、漂白成分。添加量は、粉 100ポンド当たり2.05g(0.0045%,45ppm)以下とする。
(2) パンを焼くときのドウ調整剤。総添加量は、本section のparagraph (a)(1)従って添加したアゾジカルボンアミドを含めて、使用粉重量の0.0045%(45ppm)以下とする。
(b) 本添加物の安全使用を確保するために、
(1) 本添加物、及びこれを用いた中間プレミックスのラベル、表示に、法に要求される他の情報に加えて、下記を明記すること。
(ⅰ) 添加物名
(ⅱ) 中間プレミックスに含まれる本添加物の濃度、又は強度についての説明
(2) 本食品添加物のラベル、又は表示に適当な使用指針も明記のこと。
また、マクドナルドはこうも回答しています。
アゾジカルボンアミドには様々な使われ方があるので、ヨガマットのような食品でないものにも含まれている事もあります。その事で私達の食品にゴムやプラスチックが入っている、安全でないものが含まれているという人もいます。しかしそれは正しい事実ではありません。例えば塩でも、食卓で使う塩と歩道の凍結を溶かすために使う塩の両方があるように、アゾジカルボンアミドにも様々な使われ方があるという事です。
塩を塩化ナトリウムと呼ぶと気持ちが悪いように、アゾジカルボンアミドと呼ぶ事で、悪い印象に与えているだけです。
さてアメリカマクドナルドでの取り組みを見てきました。かなり率直な回答に驚く事も少なくありませんでしたが、明確に答える姿勢には好感を覚えます。
同様の試みはカナダやオーストラリアなどでも行われているようです。一方日本でも「見える、マクドナルド品質」というキャンペーンは行われているようですが、少し様子が異なるようです。「日々寄せられているお客様の声をもとに」と書いてあるだけで、twitterやサイトからの質問は募集されていないようです。当然「ミミズ肉は使っていないのか」といったストレートな質問は挙げられていないようです。

カナダ「Our food. Your questions.」

オーストラリア「Our food. Your questions.」

日本「見える、マクドナルド品質」
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http://www.dailymail.co.uk/news/article-2791768/what-s-really-happy-meal-mcdonald-s-begins-online-campaign-explain-burgers-not-rot-deny-makes-frankenfoods.html