不思議な生物がオーストラリアの沖で発見されました。これらの海洋生物に最も近縁である種は、Cnidaria(クラゲの仲間)もしくはクシクラゲだと思われます。しかし、それらの特定の門に属するだけの特徴を有していないために、分類するには全く新しい分類を作らねばならないだろう、とPLOSONE誌上にて研究チームは報告しています。

新種のクラゲと思われる生物が発見されたが

この地球では、毎年約15000種の生物が発見されているそうです。意外と多くの新種が発見されていると思ったのではないでしょうか。実際、新種の報告自体はそう珍しい事ではありません。しかしこのクラゲと思われた謎の生物、ただの新種とは一味違ったのです。

まったくの未知の生物だった

この謎の生物が動物界に属することまではわかっていますが、特徴を観察したところ、その下位にあるクラゲが属するはずの門に当てはまらないばかりでなく、全部で35種類存在する門いずれにも分類できないそうです。

したがってクラゲでもなければ、今のところ何者でもない規格外生物だということ、そして新種の発見のみならず、新しい門の発見である可能性があるという事です。

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刺胞動物門

クラゲ、サンゴ ほぼ全てが水界に生息し、大部分が海産である。「刺胞」と呼ばれる、毒液を注入する針(刺糸)を備えた細胞内小器官をもつ細胞があることからこの名で呼ばれる。- Wikipedia

門ってなに?

分類学で使うくくり方の一つです。この世界で確認されている生物は約120万種いると言われています。これらの生物は、大きい括りから以下の順番で分類されています。

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構造図。「ドメイン」や「界」は、非常にざっくりとした分類階級になっている。

代表的な門は以下のように分類されています。

脊索動物門 節足動物門 棘皮動物門 軟体動物門
魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類など 昆虫類・甲殻類など ウニ・ヒトデ・ナマコなど イカ・タコなど

門が新設されるかもしれない

「門」は「界」の直下にあたるため、その新設あるいは改編には大きなインパクトがあります。動物界36番目の門として認定されれば、当分はこの種のみが属することになるかもしれません。それは、体のつくりや生息する場所、子孫の残し方、食事の方法などが既存の門に属する動物たちとは大きく異なるということでもあります。生物の新たな不思議を見られる日を楽しみに待ちましょう。

まだまだ期待される、深海の未知の生物学上の発見

近年、深海探査によって今までの常識を超えた生物学上の発見が続いています。熱水噴出孔の生態系は原初生命との関連で注目されていたり、現在進められている南極の氷底湖探査では古代のまま隔絶された環境で生き延びた生物の発見も期待されています。深海の探査によって、生命に対する私達の見方が変わってしまうような発見がなされる日も近いかも知れません。

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熱水噴出孔

深海によく見られる熱水噴出孔周辺は、生物活動が活発であり、噴出する液体中に溶解した各種の化学物質を目当てにした複雑な生物社会が成立している。有機物合成をする細菌や古細菌が食物連鎖の最底辺を支え、そのほかにジャイアントチューブワーム・二枚貝・エビなどがみられる。- Wikipedia

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ボストーク湖

南極大陸に存在する氷底湖である。ヴォストーク湖とも書かれる。湖はロシアのボストーク基地に近い、南緯77度、東経105度地点の氷床下約4キロメートルにある。最も広い場所で幅40キロメートル、長さ250キロメートルに達し、二つの水盆(水深の深い場所)に分かれている。- Wikipedia