3億8500万年前の化石から、地球上で最も古い顎口類の魚は交尾行動によって生殖を行っていた事が最近の研究で明らかになった。時代が進むにつれて魚類は、雌が水中に産んだ卵に雄が精子を放出する生殖方法に戻っていったが、数種の魚類はそれからまた再び進化を経て、つがいを作って交尾するようになった。

Mating Microbrachius(Microbrachiusの交尾)

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livescience

ぱっと見ると、右の魚が左の魚の腕を引っ張って「コッチコッチ」と、どこかへ案内をしているようにも見えますが、どうやら交尾の最中の模様です。この魚はMicrobrachiusという古生代に生息していた魚類なのですが、何とも不思議な形態をしています。画像の着色のせいもありますが、まるで亀の様にも見えます。大体魚に腕がある時点でなんだか妙な気分になってきます。一体、Microbrachiusとはどんな魚だったのでしょうか?

デボン紀

この化石が発見された3億8500年前は、古生代中期のデボン紀、丁度そのまっただ中でした。

デボン紀は、古生代の中ごろ、シルル紀の後、石炭紀の前で、約4億1600万年前から約3億5920万年前までの時期を指す。
デボン紀は、魚類の種類や進化の豊かさと、出現する化石の量の多さから、「魚の時代」とも呼ばれている。wikipedia-デボン紀

クリマティウス

尖ったひれと多くの棘

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Nobu Tamura

ティクターリク

魚類と四肢動物の中間的な特徴をもっている

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Zina Deretsky

シンダーハンネス

アノマロカリス類の一種

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Nobu Tamura


デボン紀は、種々様々な魚が生まれては消えていった有史以来の「魚の時代」です。しかし、魚類だけでなく両生類の種数も爆発的に増えており、水中から陸上へ四肢動物が進出していく境目の時代でもありました。なので、腕を持った魚がいることにも必然的な流れを感じます。Microbrachiusの腕はまさにその申し子というべき、時代を反映した特徴なのです。

横に並んで交尾をする

Microbrachiusは淡水魚で、湖などに生息していたそうです。体長は約7.6センチメートルで、体は硬い骨の甲羅に覆われていました。
雄は腹部にL字に曲がった大きな生殖鉤(かぎ)を、雌は把握器を備えています。交尾中は生殖鉤を把握器でがっちりと捉える事で確実な受精を狙っていたようです。

Microbrachiusの交尾図

腕を組むMicrobrachius

トンボの交尾

把握器で首根っこをつかむトンボ

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Kurt Bauschardt

しかしながら把握器で固定するだけでは不安定。こうした方が離れ離れにならないとでも思ったのか、さらに片腕を絡めて交尾の体勢をとるようです。しっかりと固定するなら両腕を絡めた方が良いのではないかとも思いましたが、腕の根元はあまり自由に可動しなさそうなので、それは難しそうなのでしょう。結局、この横並びの形に落ち着いたようです。

サメの交尾

現代の魚の中にも交尾するものはいる

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discovery.com

手をつなぐのは愛情表現の一つ

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Nathan O’Nions

デボン紀の魚類にそなわった腕。この時代には腕を使っていろいろな試行錯誤があったのでしょう。陸上へ挑戦する魚類もいれば、より確実な交尾のために使う魚類もいたという事でしょうか。

REFERENCE:

Sex Is 385 Million Years Old, and It Looked Like Square Dancing

Sex Is 385 Million Years Old, and It Looked Like Square Dancing

http://www.livescience.com/48400-origin-of-sex-found.html