リスと聞くと、森の中に住んでおり頬袋にどんぐりを詰め込んでいるような愛くるしい姿を想像する人は多いだろう。もし、目の前に出された料理の紹介で「これはリスの肉ですよ」と言われたら、多くの人は目を丸くして食べることができなくなるのではないだろうか。イングランドの催しでそんなリスの肉を使った『リスバーガー』の料理大会が開催されたとのことだ。

Forest Showcase Food and Drink Festival

今回、リス肉バーガーが振る舞われたのはイングランドで開催された『Forest Showcase Food and Drink Festival』の会場でのこと。『リスバーガーは森の味!』と銘打ち、健康的で森の味を楽しめるバーガーを探すための品評会として行われた。大会側から提供されたバーガーは100%リス肉で作られたもの。それに参加者が自由に味付けをし、実際に彼らのバーガーを食べた人からの投票で15人のファイナリストを選出、『Cookery Theater』でグロスターシャー大学の氏とハーツバーン料理学校の氏により味見され優勝者を決定する。という、なかなか本格的な大会だ。参加者はみな各々の考えたリスバーガーを作り、人々に振るまい、大会は大盛況だったらしい。材料がリス肉でなければ、今回のような抗議などは起こらなかっただろう。

リス肉はどんな味?

トーマス氏によると、リス肉の味は鶏肉とウサギ肉を合わせたようだという。ワニ肉やカエル肉は鶏肉のようであると表現されることがあるが、リスはそこにウサギ肉の風味が加わるようだ。鶏もウサギもどちらも食材としては珍しくないものだ。残念ながら、記者はウサギ肉は未経験なので完全に想像することはできないのだが、そのふたつが合わさったような味ならば、おそらくまずくはないのだろう。

大会で使用した肉が鶏やウサギであったのなら、こんな抗議はナンセンスだっただろうが、多くの人の中にある『リス=可愛らしい生き物』というイメージから抗議の声が上がったことは想像ができる。そんな声に対して、トーマス氏は、では羊やウサギはどうなのか?と問いかける。特にウサギは日本でもペットとして飼っている人もいるような動物だが、ほとんどの人はその肉を食べることに抗議はしない。トーマス氏は、そんな矛盾を問うてきたのだ。

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リスバーガー

見た目も良い。

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Mirror

殺処分より食料に

今回使用されたハイイロリスは、イングランドでは外来種であり有害動物として毎年多くの数が捕獲、殺処分されている。北アメリカから持ち込まれたこのハイイロリスは繁殖力が非常に強く、もともとイギリスに存在していたキタリスの数をはるかに上回り、キタリスの存在を脅かす事態になっているのだ。キタリスだけではなく、樹木の樹脂を剥いで傷付け、貴重な野鳥の卵がハイイロリスによって食されるなどの被害も発生している。トーマス氏は、どうせ殺すのならばただ殺すよりも食材として使用したほうが有益ではと呼び掛けているのだ。

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ハイイロリス

イギリスでは約250万頭が生息している。在来種のキタリスを駆逐しているほか、農作物や自然植生に被害を与えている。
世界の侵略的外来種ワースト100に選定されている。
日本でも定着する可能性は十分にあるため、外来生物法により本種を特定外来生物に指定し、飼育などを禁止する予防策を講じている。 – Wikipedia

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Diliff

largemouth bass fish in lake

日本でいうところのブラックバスのようだ。

イギリスにはリス肉を食べることができるレストランというのは、数は少ないが存在しており、レストランによっては完売するほどの人気メニューなのだそうだ。イメージに縛られて「あんな可愛い生き物を食べるなんて!」と言う前に、実際に一度食してみるというのもありなのかもしれない。

REFERENCE:

Forest Showcase Food and Drink Festival

Forest Showcase Food and Drink Festival

http://forestshowcase.org/