中国では毎年奇怪な建築物が誕生しているということをご存知でしょうか。北京市の人民日報ビルや河北省の天子大酒店など、雨後の筍のように生えてきます。先例の華飾な建築とは趣が異なりますが、奇怪建築スポットの仲間に加わることになるかもしれない建物があります。

中国安徽省蕭県の東部新都市の小さい山間に位置する数十棟の建物はすべて外構工事が終わった状態だが、後続工事が進んでいない。工事現場の工事見取り図に主体建築名は「安糧皖北大厦」、建物の延べ坪が2万3966㎡になっており、そのうち8棟がそれぞれ教育局、人的資源・社会保障局、建設局などと表記されている。

「蕭県政府広場景観、道路工事」の案内板には敷地面積が5万7700㎡、総投資額が2290万元で、着工日が2012年7月と記載されている。雑草が生い茂った工事現場には建材が散在し、足場が錆び付いている。建物の間に猫が出没し、羊を放牧する人までいる。

我が物顔で歩く羊達の様子を見ると、むしろこの建物の方が場違いなのではと錯覚させられます。わずか2年の歳月と1人の羊飼いが創りだしたこの光景は人類滅亡後のようですらあり、文明へのノスタルジーを感じさせます。

廃墟化の原因

そもそもこの建物は蕭県政府の新庁舎として建設されていました。しかし2012年7月、蕭県の元県委書記である「毋保良」が横領問題で懲戒免職されると工事は中止。その後放置されて今に至っています。

日本でいうムネオハウスみたいなものですが、決定的な違いは大規模かつ未完成である点です。ムネオハウスは鈴木宗男の逮捕後も、一般観光客らの宿泊施設として維持費を捻出できました。一方こちらは、現状建物として使用できず、しかも外構は完成しているため更地にするにも費用がかかるという悩ましい状態です。それなら空いたスペースを活用した放牧も悪くありません。

MuneoHouse

日本人とロシア人の友好の家

北海道選出の大物政治家である鈴木宗男の尽力によって建設された。しかし、2002年に鈴木宗男に対して利権疑惑の一環として日本人とロシア人の友好の家の鈴木宗男利権が取り上げられ、鈴木宗男の公設秘書1人と地元建設業者5人の計6人が起訴され、全員が有罪判決を受けた。- Wikipedia

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中国の建築事情

今回の廃墟は政治家の汚職・退陣で生み出されてしまったものですが、中国の建築乱立には不動産バブルが一役買っています。その結果、入居者に見合わない数のマンションが投機目的で建てられ、鬼城と呼ばれるゴーストタウンが中国各地で見られるようになりました。このような光景を見て楽しんでいられるのは今のうちかも知れませんが、逆に鬼城を観光地化するくらいの逞しさを期待してしまいます。

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鬼城

中華人民共和国で不動産投資の過熱によりゴーストタウン化した街を指す表現。「廃棄された街」を意味する。
オルドス市の新興住宅地は100万人都市として計画・開発されたものの、2011年2月の報道では実際に居住しているのは3万人程度で、それにもかかわらず平米あたりの住宅価格は、上海市並に高騰していると伝えられた[4]。- Wikipedia
写真はオルドス市の康巴什新区。

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天子大酒店

世界最大の象形建築としてギネスに登録されている。

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