映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー・パート2」で当時の人々を魅了した空飛ぶスケートボード。以前Funny or Dieがフェイク動画を公開した際にも大きな話題を呼んでいました。しかし今回はフェイクではありません。20世紀に夢見た未来がまた1つ、すぐそこまで来ています。

ホバーボードとは

創業者・発明家であるグレック・ヘンダーソンの名にちなみ、今回開発されたホバーボードは「ヘンド・ホバーボード」と名づけられています。今回3種類の試作品が公開されました。電池を内蔵した磁気浮上を味わう「ヘンド・ホバーボード」の他、「ホワイトボックス(浮上技術開発キット)」、「(ルンバのような)マンタ・レイ」です。これらは金属板上で約1インチ浮かび、摩擦なしの素早い移動とコントロールをすることができます。アイススケートで滑る感覚やゲームセンターのエアホッケーでパックが素早く相手陣内を移動する感覚に似ています。

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ヘンド・ホバーボード(Hendo Hoverboard)

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ホワイトボックス(White Box)

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マンタ・レイ(Manta Ray)

開発プランとフィードバック

クラウドファンディングによる開発資金提供を促進するため、同社は資金提供者に直感的に技術を理解し味わってもらう仕掛けを作りました。社内に磁気浮上体験サイト(平面とハーフパイプ)を設け「ヘンド・ホバーボード」を体験できるようにしたのです。ハーフパイプサイトが設けられているのは同社のMFA(magnetic field architecture、今回のヘンド・ホバーボードで用いられた、効率よく磁気浮上させる技術)が優れていることを示すためです。従来のリニアモーターなど磁気浮上技術では平面上の用途に限られており、ハーフパイプのような曲面上では動かすことが難しかったのです。

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「ヘンド・ホバーボード」で改良すべき点は操縦の難しさ(振動による)と耳ざわりな高音の騒音です。ヘルメットなどの転倒対策保護具をフル着用し、慎重に滑っています。また騒音に関してはボードやホワイトボックスに重さがかかるときに音が低くなっているところから内部の磁気浮上制御回路から発生しているように見えます。操縦性と静音化改良は進められており、来年には改良版がリリースされる予定です。

クラウドソーシング開発を促進するための仕組みもあります。外部でこの浮上技術に興味をもった人は、開発キット「ホワイトボックス」を購入して、金属板を貼った自分の机の上でiPhoneやアンドロイッドフォーンで「ホワイトボックス」を思い通りに動かすことができます。開発キット自身の改善すべき点としては、2時間充電してリチウムイオンバッテリが12~15分しか持たない点です。あわせてホバーボードの改良もクラウドの力を借りてすすめようとしています。300ドルでホバーエンジン開発キットを配布できるよう計画しています。

建築家だった創業者のグレッグ・ヘンダーソンは、建築物を浮上させるという着想を得て、2012年1月からこの事業を進めてきました。彼はMFA技術で建築物を約3m浮上させて地震、洪水などから守るという目標を持っています。そのためのプロセスとしてホバーボードから始め、飛行機の離陸補助、リニア鉄道、陸上輸送、工場内の物品自動輸送を成功させて進めていく予定です。このような構想が実現され、未来の移動がさらに発展できるかどうか楽しみです。

エアー断震システム

地震の揺れを感知すると、地盤と基礎の間に空気を送り込み家を宙に浮かせることで揺れを建物に伝え辛くする装置。