中国の検索サービス大手の「百度(バイドゥ/baidu)」が百度世界大会にて食品の安全性を簡単に検査できる「スマート箸」を発表しました。

対象となる油に極性化合物(TPM)が25%以上含まれていることを検出すると、このお箸が赤く発光して危険を促します。極性化合物とは、空気との接触による酸化や加水分解などによって、油脂の分子が切断されることで生成されるものです。古い油ほど多く含まれており、食用油の新鮮さを表す値としてヨーロッパでは広く採用されています。導電性などに基づいて検出する機械は、一般的に「オイルテスター」と呼ばれ既に存在していましたが、本商品はお箸として使用でき、スマホに結果を表示するなど独自の機能を有しています。

 
 

この箸でオイルをかき混ぜ、スマホに結果を出力する様子が収録されている。中国のGoogleと呼ばれるのもあってか、まるでAppleの新商品ビデオさながらの構成だ。

中国の食にまつわる深い闇

日本でも記憶に新しいマクドナルドのチキンナゲット事件や、殺虫剤入り冷凍餃子、ダンボール肉まんなど、食の安全を脅かすセンセーショナルな事件が挙げられますが、Wikipediaの中国産食品の安全性のページを開くとまるで都市伝説と見紛うような事件が大量に記されており、いかに深刻なのかが理解できます。

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チキンナゲット事件

 

米食材卸大手、OSIグループ傘下にある中国上海の中国法人「上海福喜食品」の製造卸した食肉が消費期限切れであったという問題。

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youku

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ダンボール肉まん

 

使われなくなった段ボールを苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)に浸した水で脱色して紙をボロボロにし、それとひき肉を6:4の割合で混ぜ合わせたとされている。- Wikipedia

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朝鮮日報

油といえば地溝油、検出は少し微妙かも?

なかでも中国では「地溝油」という、現在にいたっても解決できていない大きな問題があります。地溝油とは下水から製造するという常識では考えられないような油で、低品質なのはもちろん人体にとって極めて有害な食用油脂です。

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地溝油

 

マンホールの蓋を開け、下水道内の黒く濁り、赤みを帯びたのり状の物体を掻き出す役割の者がおり、毎日一人当たり桶4杯くらいを収集する。それを一昼夜かけて濾過した後、加熱、沈殿、分離など複数の工程を経て、再生食用油に仕上げる。悪臭を放っていた物質は、これでほとんど無臭になるという。ただし新品の食用油に比較すれば、その色はどす黒く一目で判別できる。- Wikipedia

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hxyueqi.com

このスマート箸が地溝油問題の救世主になりうるかと期待していますが、正式に対応しているかといった発表はまだ今のところありません。我々が調査したところ、地溝油を判別するためにはどうやら極性化合物だけではなく多環芳香族炭化水素(PAHs)、コレステロールの検知も要するということで、もしかすると対応していないかあるいはまだまだ試験段階なのかもしれません。

 

多環芳香族炭化水素(PAHs)

 

油を加熱した際に発生する芳香族炭化水素の総称。残留性有機汚染物質。発がん性物質に指定されている。

 
 

コレステロール

 

一般的に食用の植物油の中にはコレステロールは含まれない。地溝油にはその性質上、動物由来成分が含まれる。

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Sbrools

価格や発売日は

いずれも未定です。まだまだわからないことが多いですが、中国の食の安全が叫ばれる昨今、旅行や出張で渡航する方にとってはマストアイテムになりそうです。