仕事の疲れやストレスを発散するためにカラオケを利用する人は日本でも多いと思います。好きな歌の歌詞を変えて職場や上司をからかって日頃の鬱憤を晴らす人もいるのではないでしょうか。けれど、そんなストレス発散方法が自由に行えない場所もあります。北朝鮮の高位幹部がカラオケで替え歌を歌ったとして摘発、銃殺されたというのです。

替え歌で処刑されたその理由とは

替え歌に用いられたのは『社会主義は私たちもの』という歌でした。この歌は、1990年代に北朝鮮を飢饉と経済的困難が襲った『苦難の行軍』時代から国民に親しみ歌われていたものでしたが、その歌詞の一部を北朝鮮労働党の高位幹部が『社会主義はお前らもの』など揶揄するものに変えて歌ったそうです。幹部は北朝鮮当局に摘発され、銃殺されました。
国家情報院は、その理由として処刑された幹部に北朝鮮第一書記である金正恩の恐怖政治に対する反発が見られたからとしています。今回以外にも、最近では賄賂贈与や韓国ドラマの視聴、女性問題が理由で10名あまりの党幹部の摘発、銃殺が行われたと国家情報院は報告しています。

繰り返される処刑

2011年、金正恩は金正日の跡を継いで北朝鮮の最高責任者である第一書記になりました。就任した金正恩は上層部の解任を繰り返し、多くの粛清、更迭を行いました。2013年には妻である李雪主がかつて所属していた『銀河水管弦楽団』のメンバーはじめ9人をポルノ映像を製作したとして処刑、叔父である張成沢を反逆容疑で処刑しました。張成沢の残存勢力に対する清算作業の勢いは今年に入り一層苛烈なものになっているということです。

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処刑された『銀河水管弦楽団』メンバーのひとり玄松月

自分たちの性行為を撮影、販売したとして公開処刑された。その中のひとり玄松月はかつて金正恩と交際していた。処刑には機関銃や火炎放射器が用いられ、原型を留めなくなるほど乱射した後、更に火炎放射器で灰にしたという。彼らの家族は処刑の光景を見させられ、後に強制労働キャンプへと送られた。妻の李雪主が楽団に所属していたときのセックススキャンダルを隠ぺいするためではないかという噂もある。

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中央日報

幹部だけではなく一般市民も

金正恩の恐怖政治は、幹部のみではなく一般市民へも及んでいるそうです。国家情報院によると、公開処刑は拡大され、韓国ドラマの視聴や聖書の所持、売春などの疑い、携帯電話を使用したという理由で処刑されたこともあるそうです。もともとあった政治犯の萬塔山収容所をソウルのマンハッタンともいえる汝矣島の64倍の面積に拡大しているとのことです。

日本人から見れば、「そんなことで?」とされる理由で、北朝鮮では多くの人が摘発、処刑されています。今回替え歌に使われた『社会主義は私たちもの』にあるように、本当に平等で公正な社会が人々に訪れるのはいつになるのでしょうか。

REFERENCE:

中央日報

中央日報

北幹部、カラオケの替え歌で“射殺”…張成沢残存勢力を静粛中
http://japanese.joins.com/article/003/192003.html