ネットで他人の誹謗中傷をする行為は日本でも見かける光景です。特に芸能人や政治家などといった有名人はその標的にされやすいものです。よく『有名税』などと言いますが、言われている相手も人間なので時には我慢の限界になることもあります。台湾で、ネットで自分に対する罵倒を繰り返したとして元立法委員の邱毅(チウ・イー)氏が法的措置をとったというのです。

きっかけは学生による立法院占拠

台湾では一般に『太陽花学運』と呼ばれているこの社会運動は、2014年3月18日に始まりました。台湾と中国の間で結ぼうとしているサービス貿易協定の批准にの審議中、協定に反対する野党が講壇を占拠、その行動に対して与党が時間切れとして一方的に審議を中断し、強行採用しようとしたのです。そのことに対する反発が広がり協定反対のデモが行われ、300名を超える学生デモグループが立法院に侵入、議場を占拠しました。学生たちは4月10日に撤去しましたが、その一連の行動に対して邱毅氏は「台湾の社会的価値をおとしめる行為」と非難するコメントを発表。それを聞いた一部の学生や市民が不満を抱き、ネットで邱毅氏を攻撃し始めたのだそうです。

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議場を占拠する学生たち

今回の市民運動の原因となったサービス貿易協定は、台湾に不利益であると言われていた。最大の理由は中国企業や労働者がやってくることによる台湾中小企業への打撃だ。巨大な資本を持つ中国企業によって台湾の中小企業の存在が脅かされることになり、低賃金で働く中国労働者がやってくれば台湾の人々の雇用が厳しいものになる。学生たちの就職にも影響を与えることが予想される。また、これをきっかけに中国の出版業も台湾に進出してくることから中国による言語統制が行われ中国と台湾の統一に向かうのではないかという不安もある。それらを受けて、彼らの活動はここまでの勢いを持ったのだ。

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Wikipedia

この発言に学生たちがネットで罵倒

一部の学生や市民たちはネット上で、邱毅氏を攻撃しました。「邱毅は中国共産党に入党した」というデタラメなニュースをネットに書き込むこともしていたそうです。邱毅氏のメッセージ欄にも悪意あるコメントを書き込んだというのですが、その内容は「ハゲ頭」「ゴミ」「人間のクズ」という子どもの悪口のようなものだったようです。このことに邱毅氏は激怒。法的措置をとって台北市警察刑事大隊がユーザーを特定、公然侮辱罪にあたるとして4人の学生を起訴、11歳の児童を家庭裁判所に送検したそうです。つまらない誹謗中傷と思っても、積み重なれば我慢も限界になったことでしょうが、11歳の子どもまで家庭裁判所に送検するというのはいささかやり過ぎの気もします。

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邱毅氏は過去にも

今回、ネットでの罵倒に激怒して法的措置をとった邱毅氏は、議員時代に台南扁友会長の黄永田氏にかつらをもぎ取られ、その瞬間を写真に撮影されたという経験をしている。しかもその写真はその年のニュース大賞を受賞したそうなので、そんな邱毅氏に対して「ハゲ」というのはタブーだったのかもしれない。

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旅居伊比利半島的冥王星人

ネット上は身元が特定されにくく、顔や名前を隠せることから、まったく知らない人に対して気軽に声をかけたり、今回のように誹謗中傷を投げかけることもその気になれば容易に行えてしまいます。けれど、その発言の先には自分と同じようにひとりの人間がいるということを忘れてしまうと、手痛いしっぺ返しを食らうこともあるかもしれません。今回の邱毅氏のように法的措置をとる人は稀でしょうが……。

REFERENCE:

レコードチャイナ

レコードチャイナ

<台湾学生運動>元立法委員を「ハゲ」などと罵倒した11歳児童、公然侮辱罪で家裁に送致される―台湾紙
http://www.recordchina.co.jp/a96497.html